アンサンブルは段階を追って組み立てよう
東京クラリネット教室本日は、合奏経験者向けアンサンブル、改め上級者アンサンブルが行われました。
今回の参加者は、発表会に出演予定のB♭クラリネット4名とバスクラリネット1名の、計5名です。
発表会まで、残り2回。
少し焦ってきましたが、冷静に曲を組み立てていきましょう。
本日の演奏曲は、鈴木英史編曲『フォスターラプソディー』と、ラッセル・コールマン編曲『カルメンファンタジー』です。
まずは周囲を聴かずに吹こう
『フォスターラプソディー』は、前回軽く通しただけでしたので、今日は細かく見ていきましょう。
今日もまず通してみましたが、周りのパートが何をやっているかよくわからない状態なので、探り探りの演奏でしたね。
このような状況での通しの際は、他のパートは気にせず、カウントをひたすらきちんとして、しっかり自分のパートを吹くことに集中しましょう。
次の段階では、もちろん周囲との関わりを理解して演奏する必要がありますが、各パートの役割を知る前にそれをやろうとするのは、危険です。
特に今回の曲は、フォスターの代表曲が散りばめられていて、それらが常に1拍目から始まるわけではありません。
ですので、うっかり別のパートを聴いてしまうと、一瞬にして自分のカウントを見失ってしまうことになるのです。
曲の作り始めには、ひとまず自分の楽譜にある音を正確に出すことに重きをおきましょう。
各パートの役割を整理して把握する
書いてある音を、どのパートも正しい位置で、正しく吹けたら、次は曲の組み立て作業です。
- 自分の役割はなんなのか
- メロディーはどのパートか
- 同じ動きをしているパートはあるのか
などを、しっかり把握しましょう。
小節ごとにメロディーを吹くパートが変わったり、メロディーのハモりでもたまに伴奏に回ったり、伴奏もずっと同じ動きではなくところどころ一緒だったり、と、明確に自分の役割を知ろうとすると、意外と難しいことが多くあります。
スコアがあれば、スコアを見るのもいいですし、今回のアンサンブルでは、練習記号で区切りながら、パートごとに吹いてもらって、他のパートと自分の担当しているパートとの関りを知っていただきました。
その作業をしてからの全員での演奏は、格段にすっきりしましたね。
必要であれば、意識するべき音にしるしをつけたり、同じ動きをしているパート・注意を向けた方がいいパートの名前を書き込んでおくのも、効果的です。
対旋律を上手に吹こう
『フォスターラプソディー』では、メロディーが同時進行で2つ出てくることがあります。
もちろんどちらも聞こえてほしいのですが、とはいえ、このような場合は片方がメインのメロディー、もう片方は対旋律(オブリガード)です。
自分が吹いているメロディーがどちらの役割を担っているのか、正しく把握しましょう。
対旋律は、メロディーと対等、もしくはほんの少し弱く吹きます。
あくまでも「“対”旋律」ですので、メインのメロディーを音量的に上回ることがないようにしましょう。
ただし、対旋律がどのように聞こえるかで、音楽的な深みが変わってきます。
しっかり歌い込んで下さいね。
シンプルゆえの難しさ
『フォスターラプソディー』は、そこまで音が細かい編曲ではありません。
しかし、だからこそ、ちょっとしたずれや意識の持ち方が、仕上がりに大きな差を生みます。
1人で練習する時には、縦の線を合わせたりする練習は、メトロノームを使うくらいしかやりようがありませんが、「ここは気にかけないと駄目だな」という部分をチェックしておくだけでも、いざアンサンブルする時に、役立ちます。
来月はいよいよ本番前最後。
『カルメンファンタジー』の方が、指も難しいので、そちらばかり練習したくなってしまいそうですが、『フォスターラプソディー』もきっちりと復習をしておいて下さい。
仕上げに向けて、あと一息頑張りましょう。
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