東京クラリネット教室第6回発表会
2021年1月11日、東京クラリネット教室第6回発表会が行われました。
本来であれば、昨年6月に行う予定だった6回目の発表会ですが、出演者・お客様ともに安心していただける状況を作り出すために思案し、延期しての開催となりました。
カフェタイムを楽しみにして下さっている方も多い、東京クラリネット教室の発表会ですが、今はみんなでわいわい飲食ができる状況ではないこともありますので、それは我慢。
せっかくの機会ですので、大きめのホールで演奏していただくことにしました。
当教室のような小さな音楽教室であれば、大きなホールを使うことで、客席は左右を1席または2席空け、前後1列も空ける余裕があり、お客様で混み合うことを避けられますし、舞台袖などもゆったり使うことができます。
また、なによりこれを機会に生徒さんに大きなホールを経験していただくことができますので、正直なところちょっと使用料がお高いのですが、皆様の経験値アップと感染回避のために、思いきって決断しました。
座席数は全部で578席ですが、今回使用したのは約80席。
感染防止対策のため、全席指定で前方席は閉鎖、マスク着用でおしゃべりもご遠慮いただき、出演者には客席での音出しと楽器に息を吹き入れることも我慢していただくことになってしまいましたが、とても響きの良いホールですので、出演者・お客様ともに気持ちの良い時間を過ごしていただけると思います。
一昨年12月以来なので、約1年ぶりの発表会となりました。
慣れない場でちょっとドキドキしますが、良い会にしましょう!
本番前に心の準備
今回も、時間の関係で本番前のリハーサルは、アンサンブルクラスのみとなりましたが、発表会が初めての方も、「ホールで吹くのは初めて」という方も多かったので、ソロ演奏の際の立ち位置や、ステージから客席の見え方など、自由に確認していただけるようにしました。
いつものように、少し小さめの空間の方が緊張しない、という方と、ホールの方がお客さんが遠くて緊張しない、という方に分かれるのは、おもしろいですね。
客席では音出しができないため、ソロの方には楽屋で音出しを数分していただいてから、いざ本番です。
第一部
デュエット ハ長調(W.フェルリング)
今回の発表会は、クラリネット二重奏からです。
初めての発表会出演の生徒さんでしたが、1人で吹くのもさることながら、合わせるのが難しい曲に挑戦されました。
細かい音を会話のようにやりとりしていたかと思うと、ぴったり同じ動きをしたりと、直前のレッスンまで悩まされた曲でしたが、丁寧に確認した甲斐あって、本番はばっちりでしたね。
次にやりたい曲も決まってらっしゃるとのこと、楽しみにしていますね。
5つのバガテルより 第1曲プレリュード
すっかり発表会の常連さんとなっていただいた生徒さん、第5回で演奏された組曲の別の曲に挑戦されました。
ピアノと合わせ始めた当初は「宙に放り出された感じでよくわかりません…」と、とても不安げにされていましたが、本番ではしっかり地に足がついた演奏でしたね。
思っていた通りの演奏になったのではないでしょうか。
残りの3曲にも、ぜひ取り組んでみて下さいね。
アシタカせっ記
カントリー・ロード
中級者アンサンブルで一緒に吹かれている方々が、クラリネット2本とピアノの演奏に挑戦されました。
アンサンブルクラスが、そういう出会いの場になることは、教室としてとても嬉しいですね。
お二人ともお好きなジブリの2曲。
ところどころ、合わせるのが難しい箇所がある曲でしたが、ホールの響きをうまく使って、のびのび吹かれていたと思います。
次回は講師も含めたクラリネット三重奏をやってみたいとのこと。
そちらも楽しみにしています。
My Favorite Things
アンサンブルクラスがきっかけで、個人レッスンにも通われるようになった生徒さんです。
練習途中になっていたという曲を、今回の発表会で演奏されました。
よく耳にする曲ですが、音があちこち飛ぶので、いざクラリネットで吹こうとすると、結構大変なこの曲。
拍子の取り方も難しいのですが、本番では楽しそうに吹いていただけました。
今後も、ソロにデュオにアンサンブルにと、いろいろなことにチャレンジして下さいね。
『くるみ割り人形』より 花のワルツ
「発表会が、1年のうちで一番緊張するんです」と、レッスンのたびにおっしゃっていた生徒さんです。
何回かご出演されていて、堂々とした演奏をされているので、そんな風には見えないですね。
今回も、聴いている分には優雅なのに、吹くと指がとても難しい曲に挑戦されましたが、レッスンでお話したことをしっかり表現されていて、花の精が踊っている姿が目に浮かぶようでした。
次の曲も楽しみにしています。
『ミレイユ』より アリア
ソロ演奏での発表会初出演の生徒さんです。
初めての曲には、オペラの中の1曲を選ばれました。
譜面は比較的シンプルなのですが、テンポも速く、クラリネットで軽快に吹くのはなかなか難しそうな曲でしたが、メリハリをつけて、最後まで軽やかに演奏されていましたね。
こちらの生徒さんも、早速次の曲を検討されているとのこと。
どんな曲を選ばれるか、楽しみにしていますね。
組曲『スペイン』より タンゴ
実は発表会皆勤賞!の生徒さんです。
いつも技巧的にも音楽的にも大変な曲に挑戦されていて、頭が下がります。
テンポの変化がちょこちょこある曲なので、レッスンでは苦労されていましたが、本番では自然に吹かれていましたね。
「かっこよい曲」がお好きとのこと、次に選ばれる曲が楽しみです。
アンダンテ・カンタービレ
「発表会はアンサンブルだけでいいです」とおっしゃっていた生徒さんが、ソロ演奏にも挑戦して下さいました。
ゆっくりな曲は、音楽的に吹かないと退屈な演奏になってしまいますが、情感豊かな演奏が印象的でした。
ホールの響きもあって、気持ち良かったのではないでしょうか。
ご都合でレッスンは少しお休みされることになりますが、復帰の暁には、温めている例の曲を一緒に演奏しましょうね。
クラリネットソナタ 第1楽章(C.サン=サーンス)
こちらの生徒さんも「いやいや、ソロで発表会出演なんて…」とおっしゃっていた方ですが、せっかくレッスンで上手に曲を吹かれているので、ご出演いただきました。
ゆるやかな曲ながら、様々な表情が求められるのでなかなか大変なのですが、きっちり演奏しつつも流れるような仕上がりとなりました。
難易度の高い箇所も、しれっとこなされていましたので、次回もぜひソロ演奏に挑戦して下さいね。
組曲『惑星』より Jupiter
小学校の吹奏楽団で、バスクラリネットを担当していた生徒さん。
中学生になってからは、部活でB♭クラリネット、お友達とのアンサンブルでバスクラリネットを吹いているとのことで、今回はバスクラリネットでのソロ演奏に挑戦されました。
かなり緊張されていたそうですが、感情がしっかり乗ったバスクラリネットの素敵な音色がホールに響き、堂々とした演奏でした。
これからもB♭クラリネットとバスクラリネット、どちらも頑張っていきましょうね。
シチリアーノ
意を決して、発表会に初めて出演されることにされた生徒さんです。
相当緊張されたようですが、「音が遠くに飛んでいくのが、とにかくおもしろかった」と、ホールでの演奏を楽しんでいただけたようで良かったです。
レッスンで心配されていた箇所も、本番ではうまくいきましたね。
「人前での演奏が意外と好きかも」という発見もあったそうなので、また次回もご一緒しましょう。
G線上のアリア
発表会初出演の中学生の生徒さんです。
部活以外ではなかなか練習時間が取れない上、部活が減らされている昨今ですが、上手に時間を使って練習に取り組まれました。
この曲も、ゆっくりだからこそ難しさ満載ですが、「こう吹きたい!」が伝わってくる演奏でした。
お勉強も大変になるかと思いますが、これからも一緒に楽しく演奏していきましょう。
ソロ ドゥ コンクール(A.メサジェ)
こちらも、発表会に初めて出演された中学生です。
バスケ部に所属している中、「12月は1日も欠かさずに練習した!」と言うだけあって、発表会では、今までで一番良い演奏になりましたね。
指も難しく、音楽的な演奏も求められる曲でしたが、しっかり吹き切れていたと思います。
次の目標を見つけて、また頑張っていきましょう。
オック地方の民謡による変奏曲
音楽科のある高校で、専門的にクラリネットを勉強している生徒さんです。
とても難易度の高い曲を、さらっと吹きこなしていて、「さすが専門家!」といったところでした。
高校に入って、練習量も一段と増えているようですので、この調子でコンクールや試験も頑張って下さいね。
次に取り組む曲も楽しみにしています。
第二部
いつもの発表会であれば、休憩はお楽しみのカフェタイムですが、今回はホールでの開催ですので、10分の休憩を経て、第二部・アンサンブルステージの開演です。
星に願いを
小さな世界
まずは初級者アンサンブルの皆さんの演奏です。
昨年の10月からこの4名で練習を重ねてきて、4か月間の結束がばっちり感じられる演奏となりましたね。
途中多少のアクシデントはありましたが、最後はびしっと決まって、皆さんの「やりきった!」という笑顔が印象的でした。
発表会直前のクラスでは、次にやりたい曲もたくさん挙げていただきました。
しばらくアンサンブルクラス自体はお休みになりますが、早速個人練習に着手していただけるように、準備しておきますね。
さらに結束が強くなった演奏、楽しみにしています。
さくらのうた~FIVE
魔女の宅急便メドレー
2番目は中級者アンサンブルの皆さんです。
現時点では一番大所帯の中級者アンサンブルですが、自主的に練習を計画していただいたりもして、本番ではまとまりのある演奏となりました。
ゆったりした曲とメドレーの2曲、さらにソロ演奏をされた方も多かったので、練習も大変だったと思いますが、クラスでやったことがしっかり発揮されていましたね。
こちらのクラスでも、次の曲のご希望をいくつかいただいているので、早めに決定しますね。
次回発表会も楽しみにしています。
アルメニアンダンス・パート1
最後は、上級者アンサンブルの皆様です。
約12分吹きっぱなしという、体力気力共に必要な曲でしたが、さすが上級者の方々。
ほとんどの方がソロ演奏もされたあとでしたが、見事な演奏でした。
上下黒に赤いお花のコサージュと、衣装も格好良かったですね。
次回・次々回の曲のご希望までいただいていますので、楽譜を準備しておきます。
また貫禄の演奏を楽しみにしています。
講師演奏
生徒さん達の熱い演奏のあとは、講師演奏です。
ホールでの演奏を、誰よりも楽しみにしていたのは、もしかしたら講師とピアニストかもしれません。
今回は、一緒に演奏するのは2年ぶりとなった、本野洋子さんに伴奏をお願いしました。
曲は、C.A.ドビュッシー作曲『第一狂詩曲』です。
大学の卒業試験で演奏したこの曲。
ピアノがあまりに大変すぎて、もはや伴奏というよりは「クラリネットとピアノのアンサンブル」といった感じなため、多忙な本野さんにはなかなかお願いし難かったのですが、「せっかくホールでやるのなら、ドビュッシーを吹きたいんだけど…」という私の希望を、快く受け入れていただきました。
伴奏合わせの時から、楽しすぎてにやにやしながら吹いていましたが、同時に「生徒さんの伴奏をしている時、私はこの楽しさを提供できているのかな?」と自分を振り返る機会にもなりました。
改めてやってみると、奥が深すぎる曲でしたが、聴いて下さった方にこの曲のおもしろさをお伝えできていたらいいなと思います。
やはり、ホールでの演奏は気持ち良いですね。
次の発表会へ向けて
様々な制約のある中での発表会開催でしたが、出演者の皆様・お客様のご協力で、無事に終了することができました。
いつもの倍以上の生徒さんがソロ演奏でご出演下さり、また、演奏後の素敵な笑顔を拝見して、皆さんに発表会を心待ちにしていただいていたことを、実感致しました。
春までアンサンブルクラスをお休みしたりと、まだまだ落ち着かない世の中ではありますが、また「楽しかった!」を体験していただけるよう、教室スタッフも頑張ってまいります。
次回も、今回同様たくさんの「発表会は初めて」の生徒さんが出演して下さることを、楽しみにしています。
もちろん、常連組の皆様もご出演下さいね!
ご出演の皆様、ご来場いただいた皆様、スタッフの方々、今回もありがとうございました。
これからもよろしくお願い致します。