クラリネットのマウスピースとリードの相性
クラリネットを演奏するのに、不可欠なマウスピースとリード。
この2つに、相性があるというのは意識したことがありますか。
奏者本人が吹きやすいのがもちろん一番大切なのですが、「リードっていろいろ種類があって、結局どれが合うのかわからない…」という方も多いと思いますので、ぜひ参考になさって下さい。
マウスピースの型番を知ろう
マウスピース・リードともに、いろいろなメーカーから売り出されていますが、今回は手にすることが多いであろう「バンドーレン」のマウスピースとリードに焦点を当てて、ご説明していきます。
マウスピースを自分で選んだ方は、もちろんご存知だと思いますが、「自分のマウスピースの型番なんて知らない」という方もいらっしゃると思います。
マウスピースがどの型番なのかわからなければ、今回のお話は意味がなくなってしまいますので、まずは型番を知りましょう。
バンドーレンのマウスピースに関しては、マウスピースの正面(リードをつけるのと逆側)に型番が表記されています。
このマウスピースの場合は「M30」ということになりますね。
こすれてしまって消えている時は、角度を変えると見える場合がありますので、自分のマウスピースの型番を、きちんと知っておきましょう。
(ちなみに、ロゴが消えるくらい長く使っているマウスピースは、交換時期が来ているかもしれません)
クラリネットのマウスピースとリードの相性
マウスピースの型番がわかったら、リードとの相性を確認していきましょう。
バンドーレンの総代理店である野中貿易のホームページによると、現時点でのバンドーレンのクラリネット用マウスピースは17種類もあるようですが、多くの方が使っている型番は、大きく以下のものに分けられると思います。
- 5RV・5RVライヤー
- M30・M30ライヤー
- B40・B40ライヤー
「ライヤー」というのは、型番の最後に竪琴のマークが入っているもののことです。
例えば同じ「5RV」でも、ライヤーとそうでないのでは、もちろん規格が多少違うのですが、今回はまとめてご説明します。
では、マウスピースの型ごとに、相性が良いとされているリードを見ていきましょう。
5RV・5RVライヤー
クラリネットを始めた時にまず出会うことが多いのが、5RVライヤー(もしくは5RV)です。
このマウスピースには、通称青箱の「トラディショナル」が合うと言われています。
青箱も、多くの方が吹いたことのあるリードではないでしょうか。
クラリネットマウスピースのスタンダードである「5RV」「5RVライヤー」と、リードのスタンダードである「トラディショナル」の組み合わせは、安定した吹き心地ですので、幅広い方が使用されています。
M30・M30ライヤー
このマウスピースは、なかなか懐の深いところがあるので、青箱でも、通称銀箱の「V12」でも、はたまた「ルピック56」や「V21」でも、自分好みの吹き心地・音色のリードをチョイスして使うことができます。
ということは、選択肢が多くて迷ってしまう、ということで、長年M30を使っている私も、正直迷いまくっていますが、やはり青箱がすっと息が入って、楽に演奏できるように感じます。
鳴りが良いマウスピースなので、青箱で音が薄く感じてしまう場合は、V12やV21の少し硬め(青箱よりも大きめの数字)を試してみると良いでしょう。
B40・B40ライヤー
前述の2種のマウスピースに比べ、抵抗が強く感じるB40・B40ライヤーには、銀箱が合います。
V12は、リードがより振動しやすいようなカットが施されていますので、コントロールのしにくいB40・B40ライヤーでも、息をスムーズに入れることができます。
余談ですが、大学時代の友人2人は、V12の4番を買ってきて、細かいやすりで削って、裏の印字が見えなくなるくらい薄くして使っていました。
「硬くて薄いリードを使いたい」ということだったようです。
自分で削るのは難しいですが、そのような方法もありますので、「番手が上がると、硬すぎて吹けない」という場合に、ご一考下さいね。
自分に最適な組み合わせを見つけよう
最初にもお伝えしたように、クラリネットのマウスピースとリードは、たくさんのメーカーから出ていますが、バンドーレンのものであれば、比較的簡単に手に入りますし、やはり同じメーカーのもの同士というのは相性良く作られています。
リードの種類が複数あるだけでなく、硬さもいろいろあるので、なかなか「これ!」というものを見つけるのは大変ですが、今回お伝えしたことを参考に、自分が使っているマウスピースに合うリードを探し出してみて下さい。
自分にとってベストなセッティングができると、演奏の質が格段に向上して、クラリネットを吹くのがますます楽しくなりますよ。