曲の中で正しく和音を響かせるためには
東京クラリネット教室2021年1月9日、今年1回目の中級者アンサンブルが開催されました。
今日の参加者は、発表会参加予定のB♭クラリネット6名(内1名はE♭クラリネット兼任)と講師のバスクラリネットの計7名です。
いよいよ発表会目前。
良いイメージのまま本番に臨めるように、今日も丁寧に練習していきましょう。
演奏曲目
- さくらのうた~FIVE
- 魔女の宅急便メドレー
指揮者がいないことで陥りやすいこと
先月のアンサンブルクラスのあと、この中級者アンサンブルの皆さんは、自主練習を行われたそうで、先日録音を聴かせていただきました。
バスクラリネットがいない中、頑張って演奏されていましたが、穏やかなはずの『さくらのうた~FIVE』が、なんだか勇ましい仕上がりになっていました。
これは、指揮者がいない中でテンポキープしようと思ったり、縦の線を揃えようとしすぎた結果、それが演奏に出てしまい起きることです。
『さくらのうた~FIVE』は8分の6拍子なので、大きな2拍子で捉えて演奏していますが、その2拍子を「よいしょ」「よいしょ」と押さえるような感じ方で吹いてしまうと、どうしてもその拍が強くなり、穏やかさとは離れた演奏になってしまいます。
拍子を感じることは大切なのですが、穏やかな曲の時は特に、なめらかに指揮を振っているところを想像したりしながら、カウントを取るようにすると、力強い演奏にならずに進んでいくことができます。
和音をきれいに響かせるために
だいぶ要所を押さえた演奏ができるようになってきましたが、今日気になったのは『さくらのうた~FIVE』の和音の音程です。
大きなフレーズの最後に、明るい響きの和音が出てくることが数か所あるのですが、どうも音程が落ち着かず、すっきりしないまま次のフレーズに進むことが何回か見受けられました。
吹奏楽をやっている方なら、繰り返し聞かされているであろう「和音の時は、3音は低め・5音は高め」が大切なのですが、そもそもこの言葉の意味はわかっていますか?
まず大前提として、これに当てはまるのは長調の和音のみで、短調だと「3音は高め・5音は低め」になります。
簡単に言うと、この「高め」や「低め」は純正律というものなのですが、音と音の間にある半音の数や周波数などが絡んできて、とても複雑になってくるので、今回は詳細は割愛します。
『さくらのうた~FIVE』に出てくるのは長調の和音ですので、「3音は低め・5音は高め」についてお話しますが、これは実際に曲の中で使われる時には絶対ではありません。
部活であんなに叩き込まれていることなのに、なぜ絶対ではないのでしょうか。
その音の役割に合わせて音程は変化させる
例えばメロディーを担当しているパートが、最後の和音で3音を担当しているとします。
ずっとメロディーを吹いてきて「あら3音だわ」と少し音程を低めに取ってしまったら、メロディーとして最後の音だけ音程が悪い、ということになります。
それは、和音の質以前の問題で、メロディーの流れが成立しなくなってしまうので、そのような時には3音が基準となり、根音(1音)はちょっと高め、5音はとても高めで演奏せねばなりません。
そうなると、5音がメロディーの時は、どうなるでしょう?
正解は、根音(1音)はちょっと低め、3音はかなり低めとなります。
大まかにまとめると、長調の場合は
- 根音(1音)と3音の間は少し狭め
- 根音(1音)と5音の間は少し広め
- 3音と5音の間は、かなり広め
ということになります。
やみくもに「3音は低め・5音は高め」と覚えるのではなく、メロディーが担当しているのは何番目の音なのか、それによって兼ね合いが大切であることを認識しましょう。
曲の中でも正しい音程に落ち着けるようにしていこう
意識するようになってからは、フレーズ最後の和音がすっきりして、気持ち良く響くようになりました。
曲の中で、正しい和音に落ち着くためには、どの和音なのかに加え、メロディーが担当している音と、自分が担当している音の両方を知る必要があります。
ちょっとした労力で聞こえ方は格段に変わりますので、何気なく伸ばすことなく演奏するようにしましょう。
今日やったこと、今日鳴った響きを忘れず、本番でもきれいな和音を響かせましょうね。
初見で楽譜がスラスラ読めるようになる方法 初見で楽譜がスラスラ読めるようになる方法 初見で楽譜がスラスラ読めるようになる方法
「楽譜が読めない…」 私が教えに行く学校の子供達や、新しく習いに来る個人レッスンの生徒さんが抱える大きな悩みの一つがこの読譜です。 当たり前の話ですが、私を含め、今楽譜が読めるプロのミュージシャンだって「生まれつき楽譜が読めた」なんてことは当然ありません。 楽譜なんてただの記号でしかないのに、どうして読めるようにならないのでしょう? … 「楽譜が読めない…」 私が教えに行く学校の子供達や、新しく習いに来る個人レ…
クラリネットリードの選び方とメンテナンス方法 クラリネットリードの選び方とメンテナンス… クラリネットリードの選び方とメンテナンス方法
リードとは クラリネットを吹く上で、リードはなくてはならないものです。 喉に手を当てて「あ~~」と声を出した時に、ビリビリと震える感覚があると思います。 声帯という筋肉が振動している間を空気が通って声となって出てくるのですが、クラリネットではリードが声帯に当たります。 要は、リードはクラリネットの声(音色)を決める重要なもの。 しかし、初心者の… リードとは クラリネットを吹く上で、リードはなくてはならないものです。 喉に手を当て…
クラリネットリードの育て方 クラリネットリードの育て方 クラリネットリードの育て方
クラリネットのいいリードの育て方を知りたい、という質問をよくいただきます。 リードの選び方とメンテナンス方法でも一部紹介しましたが、今回はリードの育て方にフォーカスして、より詳しく解説していきます。 クラリネット未経験者・初心者の方は是非試してみてくださいね。 まずは全リードを開封 まず箱を開けたら、個包装されているものであれば、全てのリード… クラリネットのいいリードの育て方を知りたい、という質問をよくいただきます。 リードの選…
決める部分をきちんと決めた演奏をするために 決める部分をきちんと決めた演奏をするため… 決める部分をきちんと決めた演奏をするために
本日は、上級者アンサンブルが行われました。昨日の中級者アンサンブルに引き続き、こちらのクラスも年内最後です。 先月同様、発表会出演予定の方が全員ご参加でしたので、B♭クラリネット4名・バスクラリネット1名でのアンサンブルです。 今月も、発表会での演奏曲、A.リード作曲『アルメニアンダンス・パート1』を演奏します。 課題を考えて取り組む 今日もまず… 本日は、上級者アンサンブルが行われました。昨日の中級者アンサンブルに引き続き、こちらのク…
本番は「良い緊張」をしよう 本番は「良い緊張」をしよう 本番は「良い緊張」をしよう
2021年1月4日、今年1回目の初級者アンサンブルが行われました。 いつもは月末開催のアンサンブルですが、年明け早々にやることになったのは、来週発表会を控えているから。世間の情勢的には、普通に発表会ができるものかやや不安ではありますが、来週のこの時間に清々しい気分でいるために、あと少し頑張りましょう。 今日も、B♭クラリネット4名での演奏です。 演… 2021年1月4日、今年1回目の初級者アンサンブルが行われました。 いつもは月末開催の…
録音を活用してどんどん修正していこう 録音を活用してどんどん修正していこう 録音を活用してどんどん修正していこう
2020年12月21日、今年8回目の初級者アンサンブルが行われました。こちらのクラスも年内最後となります。 今回も、発表会参加予定の方々が全員ご参加下さったので、B♭クラリネット4名でのアンサンブルです。 今日も本番に向け、演奏と共に立ち居振る舞いにも慣れていきましょう。 演奏曲目 星に願いを 小さな世界 演奏以外の準備をしておこう … 2020年12月21日、今年8回目の初級者アンサンブルが行われました。こちらのクラスも年…
自分のテンポのくせを知って安定した演奏を目指そう 自分のテンポのくせを知って安定した演奏を… 自分のテンポのくせを知って安定した演奏を目指そう
2020年12月24日、第51回目のバンドアンサンブルが開催されました。こちらのクラスも今年最後の演奏となり、2020年のアンサンブルは全て終了です。 実は、残念ながら1月の発表会後からは全部のアンサンブルクラスを一旦休止することになりましたので、発表会には参加しないこのバンドアンサンブルは、今日を最後に春頃まではお休みとなります。 とても残念ですが… 2020年12月24日、第51回目のバンドアンサンブルが開催されました。こちらのクラスも…
アンサンブルでの不安感をなくすために大切なこと アンサンブルでの不安感をなくすために大切… アンサンブルでの不安感をなくすために大切なこと
本日は午前中の中級者アンサンブルに引き続き、午後には上級者アンサンブルも行われました。いよいよ発表会前最後の合わせです。 今月も、B♭クラリネット4名・バスクラリネット1名で、発表会での演奏曲、A.リード作曲『アルメニアンダンス・パート1』をしっかり仕上げていきましょう。 最後の仕上げ前に現状の確認 東京クラリネット教室のアンサンブルクラスは、準備… 本日は午前中の中級者アンサンブルに引き続き、午後には上級者アンサンブルも行われました。い…
本番で複数曲演奏する時の練習の進め方 本番で複数曲演奏する時の練習の進め方 本番で複数曲演奏する時の練習の進め方
2020年11月21日、今年7回目の中級者アンサンブルが開催されました。 今日は、発表会出演予定メンバー全員にご参加いただける予定でしたが、かなりの急用で1名お休みとなり、B♭クラリネット6名(内1名はE♭クラリネット兼任)と講師のバスクラリネット、合わせて7名での演奏となりました。 先月、体験参加された方も、継続して下さることになり、徐々に人数が増… 2020年11月21日、今年7回目の中級者アンサンブルが開催されました。 今日は、発表…
クラリネットのチューニング方法 クラリネットのチューニング方法 クラリネットのチューニング方法
ピアノ伴奏とのソロ演奏やアンサンブル、吹奏楽やオーケストラなど、クラリネットの活躍の場はたくさんあります。 それらに共通しているのは「誰かと合わせること」。 合わせる際に大切なことの一つ『チューニング』について、よくわからなかったり、なんとなくになっている部分はありませんか? 今回はその『チューニング』についてご説明していきますので、しっかり知って… ピアノ伴奏とのソロ演奏やアンサンブル、吹奏楽やオーケストラなど、クラリネットの活躍の場は…
アンサンブルにおいてテンポの鍵となるパートがやるべきこと アンサンブルにおいてテンポの鍵となるパー… アンサンブルにおいてテンポの鍵となるパートがやるべきこと
2020年12月19日、今年8回目の中級者アンサンブルが開催されました。早いもので、こちらのクラスは一足お先に年内最後のアンサンブルです。 今日の参加者は、B♭クラリネット7名(内1名はE♭クラリネット兼任)と講師のバスクラリネットの計8名です。 いよいよ発表会まであと2回。ちょっと焦ってきましたが、演奏では焦りを出さず、このメンバーだからこそできる… 2020年12月19日、今年8回目の中級者アンサンブルが開催されました。早いもので、こち…