第7回音高・音大受験の実技模試
音高・音大の受験が本格化する直前の2020年2月9日(日)、東京クラリネット教室「第7回音高・音大受験の実技模擬試験」が開催されました。
今年度3回目となる今回は、約1週間後に音高受験を控えた中学3年生も参加してくれました。
1回だけでなく、2回演奏の機会のある東京クラリネット教室の実技模試。
受験本番のリハーサルになることももちろんですが、1回目の演奏後にもらった講評を、2回目の演奏ですぐに試せる、もし1回目に失敗しても2回目に取り返すことができる、というのが、大きな特徴です。
今回も、前回・前々回とはまた違ったトランペット奏者の方に、試験官をお願いしました。
この実技模試最大の特徴である知らない場所・知らない人の前で本来の力を発揮する経験を、存分にしていただきましょう。
「集合時間」の認識を正しく持つ
受験本番も近いということで、今回は特に気をつけるべきことをしっかり確認していきましょう。
まずは、集合時間について。
今回の参加者は、10分前までには全員到着されていました。
もう少し早くてもいいかなと思いますが、余裕がないわけではないので、良い心がけだと思います。
何度もお伝えしていますが、集合時間は受験会場に到着すればいい時間ではありません。
「間に合えばいい」の考え方は、特に受験の時は捨て去りましょう。
また、電車が止まってしまったり、遅延などで思っていたように到着できなくなる可能性も、しっかり考えておきましょう。
迂回できるルートはあるのか、の下調べも大切ですし、万が一に備えてタクシーに乗れるだけのお金を持っておいた方が良いかもしれません。
今は、携帯電話・スマートフォンを持っている人も多いので「何かあったら、その場で調べればいいでしょ」と考えがちですが、その時に「電池が切れた」「携帯が不調」など、想定外に調べられない状況だったら、困りますよね。
受験というのは、「ちょっとお出かけ」とは違います。
「念には念を」と言いますので、やりすぎかも…と思うくらい、万全の準備をしておきましょう。
受験会場での待ち時間の過ごし方
音高・音大受験には、ことあるごとに待ち時間がつきまといます。
自分の気持ちの維持やコントロール、寒さ対策、楽器のコンディションの維持は、本来の持てる力を発揮するために、欠かすことのできないものです。
想像するだけではわからなかった、今日この場で感じたことを、しっかり本番へ向けての対策の手としましょう。
私達リード楽器は、待っている間のリードの乾燥も怖いですね。
「緊張のあまり、キャップをせずに控え室を出てしまった…!」なんてことが起きたら、大変です。
うっかりミスにも注意して下さいね。
試験会場での振る舞い方
大抵の学校では、試験会場への入室は、数名まとめてになるかと思います。
周囲が言っているかどうかに関わらず、明るくはきはきと(かと言って大きすぎず)「失礼します」と言って、入室するようにしましょう。
音楽の世界は、礼儀をかなり重視します。
「入室時に挨拶もしないなんて!」と、マイナス評価を受けることはないはずですが、「場をわきまえた立ち居振る舞いができる人だな」という、プラスの印象を与えることができます。
そして、名前や受験番号を言ってから演奏する場合は、普段しゃべっているより、2トーンくらい高めを狙って声を出すといいですね。
緊張すると、ぼそぼそと早口になりがちですので、しっかり前を見据えて、きちんと試験官に伝えることを意識することが大切です。
これから演奏を聴いて下さる方へ対しての、敬意を込めて言うようにしましょう。
また、自身の演奏前・演奏後に関わらず、他の受験生の演奏を待っている時は、自分の世界に入り込みすぎないように、くれぐれも注意して下さい。
特に、自分が吹く前だと、緊張と闘ったり、演奏に向けて集中しすぎてしまったりと、どうしても「我関せず」の雰囲気を醸し出しやすくなってしまいます。
「他人の演奏を聴く余裕もないのか」と、演奏する前から、試験官に余計な印象を与えてしまうことは、得策ではありません。
実技模試では、待っている間にどう感じ、どんな状態になるかも、体感していただけたかと思います。
集中と緊張のコントロールを、本番に向け、しっかりできるようにしておきましょう。
退室時は、もちろん「失礼しました」「ありがとうございました」を忘れずに。
あとは本番で力を出し切るのみ!
今回の実技模試ももちろん「音出し→本番→講評」を、2巡するスケジュールで行いました。
お二方とも、1回目の講評で言われたことを、すぐに2回目の演奏で試そうとしていたのは、素晴らしかったですね。
今日うまくいった部分は自信に、思っていたことと違った箇所は、今後の研鑽の材料にしていただけたらと思います。
お一人は中学2年生でしたが、もうお一方は先述の通り中学3年生。
あと1週間ちょっとで、入試本番です。
ここまで来たら、まずは体調管理。
次に、できるところまで、演奏を高めておきましょう。
「これくらい吹ければいいかな」は決してありません。
飛び抜けて上手な人が、同じ受験生の中に何人もいるかもしれない…という危機感を持って、残りの期間を過ごすようにしましょう。
そして、入学試験にパスすることは大切ですが、それ自体が目標になってはいけません。
音高・音大に合格するということは、今後の音楽家人生のスタートを意味します。
少しでも前の位置、より高い位置から出発できるに越したことはないのです。
そう言った意味でも、できる限り演奏力を向上させておきましょう。
また、来年度以降音高・音大受験を考えている方は、なるべく早めに本腰を入れることをお勧めします。
次回の、東京クラリネット教室「音高・音大受験の実技模擬試験」は、今年の12月開催予定ですので、今からの頑張りを、そこで一度確認していただけたらと思っています。
ここまで頑張ってきた皆さんが、実力を存分に発揮して「やるだけやった!」と思える試験でありますよう、お祈りしています。