アンサンブルの初見合奏でやっても構わないこと
東京クラリネット教室本日は、合奏経験者向けアンサンブルを行いました。
参加登録されている方のうちの1名は、今日が所属している団体の定期演奏会とのことで、いらっしゃることができませんでしたが、他の4名は無事に参加していただけました。
さらに、今日はアンサンブル無料体験希望者が4名もいらして下さり、バスクラを吹く講師を含め、なんと9名のアンサンブルとなりました。
まずはパート分けをしよう
さて、本日の演奏曲は、メンデルスゾーン作曲『弦楽八重奏・第3楽章』です。
経験者向けのアンサンブルに6月からご参加の方が、やりたいと希望を出して下さった曲で、クラリネット五重奏に編曲されています。
五重奏ということは、バスクラを除くとB♭クラリネットのパートは4パート。
今日は、元々の参加者が4名で、体験参加者が4名。
おぉ!素晴らしいではないですか。
というわけで、参加登録されている方は参加登録されている方で、体験の方は体験の方で、それぞれ4パートに分かれていただくことにしました。
パート分けの方法は、完全にお任せしたのですが、やはり普段参加されている方は慣れていらっしゃるので、「じゃんけんして、勝った人から好きなパートを選びましょう」と、あっさり決定。
それを見て、体験にいらした皆様も、同じようにパート分けをされたようです。
無事にパートも決まったところで、席もパート順に移動して、いざ開始です。
落ちたら遠慮せずに申告しよう
普段は、楽譜を配ると同時に初見で通してみるのですが、今回の曲は弦の曲ということで、管楽器で演奏すると独特な難しさがあるため、まずは少し個人練習。
10分弱練習してもらったところで、通してみました。
やはり「やたらと高い音が出てくる」「タンギングが必要な速いフレーズが多い」「幅広い音域にわたるアルペジオ」など、弦楽器ならではの曲の作りと、ちょっと油断するとどんどん小節が進んでしまう4分の2拍子のこの曲、「落ちました~(どこを吹いているかわからなくなること)」と、少し進むたびに自己申告がありました。
初見では、楽譜通り吹けなかったとしても、カウントを止めず、とにかく前に進むことが大切ですが、今回のように皆でやっている時は、わからなくなってしまったことを正直に伝えることも大事です。
なぜなら、自分だけ何もできずに、曲が通ってしまう可能性があるからです。
どこかで元に戻れるのならば、それに越したことはありませんが、「もう全くわからない!」となってしまった時は、演奏を止めてしまうことを遠慮したり、恥ずかしがったりせずに、ぜひ勇気を出して挙手をして下さい。
(あくまでもアンサンブルの話で、吹奏楽など人数の多い合奏の時は、周りをうかがって頑張って立ち直って下さいね)
自分と他のパートの関わりを知ろう
どうにか通ったところで、曲のあたまから細かく見ていきました。
初見では、何がなんだかわかりませんでしたが、スコアを見てみると、メロディーや伴奏がころころと移り変わっているだけで、案外すっきりと作ってあることが判明しました。
そこで、「どこのパートが同じことをやっているか」「どのパートがどのパートを追っかけているか」などを説明しながら、少しずつ整理していくと、自分のパートにも慣れ、周りを聴く余裕も出てきたのか、つながりが生まれてきました。
そうなると、どんどん楽しくなっていきますね。
ただ、3番パートが音域も動きも飛び抜けて難しいようで、お二人ともとても苦労されていました。
そのような時は、音を1オクターブ下げても構わないですし、自分達しか吹いていない部分を確実に押さえることを優先しましょう。
もちろん全てを楽譜通りに吹くことができるのが一番ですが、それが難しいと判断した場合は、優先順位をつけることも必要です。
曲の構成を知ることでより深い演奏を
曲の終わりまで確認したところで、楽器の掃除とちょっと休憩。
繰り返しのある曲だったのですが、満場一致で「繰り返しなしで」と決まったので、ストレートで最後に一度通してみたところ、丁寧に構成を確認した甲斐があって、曲の素晴らしさを感じることができるアンサンブルになりました。
体験にいらした皆様にも楽しんでいただけたようで、今日の合奏経験者向けクラリネットアンサンブルも、とても有意義な時間になったと思います。
今後も、参加している方の希望の曲をお聞きして、様々な曲が演奏できたらいいなと考えています。
こちらからも、いろいろな曲を提案していく予定ですので、また皆で曲を作り上げる楽しさを感じていけたらいいですね。
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