ブレスと合図で決まるアンサンブルの質
東京クラリネット教室本日は、合奏経験者向けアンサンブル、改め上級者アンサンブルが行われました。
発表会を次週に控え、皆さんとっても不安そうですが、B♭クラリネット5名とバスクラリネット1名の計6名で、最後の仕上げをしていきましょう。
演奏曲目
- フォスター・ラプソディー
- カルメンファンタジー
ゆっくりな部分で必要以上に後ろに行かない
まずは、本番同様に通してみましたが、1ヶ月経つと、前回やったポイントがすっかり抜けてしまっていますね。
先月のアンサンブル以来、この2曲を練習できなかった、という方もいらっしゃるようでした。
全体として気になったのは、とても後ろ向きな演奏だということ。
言葉にするのは難しいのですが、後ろに引っ張られているような、前に行きたいけど行けない、というふうに聞こえるのです。
特に、ゆっくりな部分というのは、間延びしやすく、ただでさえゆっくりなのにそれをやってしまうと、吹いていても聴いていてもしんどい演奏になってしまいます。
歌い込むことと、どんどん後ろ向きになって、テンポが遅くなってしまうことは、全く別物です。
一定の速さをキープすることに重きを置いて、メトロノームに合わせて一度さらっと吹いてみましょう。
思っているよりも、遅くなっていることに気づけるはずです。
音楽的に吹こうとする時も、そのテンポ感を守ることを一番に考えて下さいね。
縦の線を揃えるにはブレスを揃える
もう一点、どちらの曲も、テンポ変化や拍子の移り変わりが、すっきり聞こえませんでした。
入りがバラバラになってしまっているからです。
やはり、縦の線が揃っているかどうかは、演奏の仕上がりに大きく関わってきます。
そしてそれは、ブレスを揃えることで解決できます。
その前に音があってもなくても、その場で実際にブレスを取るにしろ取らないにしろ、揃えるべき点では呼吸を合わせようとすることが必要です。
呼吸が合えば、自然に音を出すタイミングが揃います。
その曲のテンポに合ったブレスを取って、気持ちを揃えましょう。
自然な合図の出し方
そして、アンサンブルでは指揮者がいませんので、合図が大切です。
基本的には、「トップ」と呼ばれる1stの人、もしくはその部分でメロディーなど重要度の高いパートを担当している人が合図を出します。
上級者アンサンブルは、私自身吹いておらず客観的に見ることができるため、よくわかるのですが、基本的に微動だにせず吹いていて、合図が必要な時だけ急に動く、という、少し不自然な動きが見受けられます。
曲の世界に入り込めれば、動かそうとしなくても、多少体が動くはずなのですが、そこまで乗り切れていない、という感じでしょうか。
それは、合図を出す人以外も、同じです。
かちっと体を硬くして座らず、音楽をしっかり感じ、音楽に乗った演奏をしましょう。
もちろん、必要以上に動こうとする必要はありません。
また、合図を直線的に出すと、「取ってつけた感」が出てしまいます。
指揮者の自然なタクトの動きを想像しながら、なめらかで、はっきりした合図を出せるようにしましょう。
本番までにできることをやっておく
最後に2曲とも通した際、少しズレが生じてしまった箇所が、いくつか見られました。
アンサンブルにおいて、周囲に気を配ることはとても大切です。
しかし、探ることはしてはいけません。
全員が躊躇すれば、どこに合わせるか見失ってしまうからです。
また、音間違いも多かったですね。
広義で、「楽譜通り吹く」は、最低限やらねばならないことです。
最後の通しは録音しましたので、残り一週間、各自しっかり振り返りと練習をしておいて下さい。
「これぞ上級者アンサンブル!」という演奏を期待しています。
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