楽譜に書いてあることを確実に表現しよう
東京クラリネット教室本日は、本年最初の合奏経験者向けアンサンブルが開催されました。
先月体験にいらして下さった方のうち1名が、今回から正式参加、また「いつもは1人で吹いているんですけど」と、お住まいの近くで個人レッスンに通われている方が、人生初めてのアンサンブル体験にいらして下さいました。
このクラスは「合奏経験者向け」と銘打ってはいますが、演奏技術が充分にあって、「合奏はしたことないけど、ちょっと難しいクラスに参加してみたい!」という方も大歓迎です。
(ちょっと自信が…という方は、ぜひ「合奏未経験者向けアンサンブル」にお越し下さいね)
そんなわけで、今日は馴染みのメンバー4人と、講師も合わせると全部で7人!
「次のアンサンブルは、アルトクラリネット入れちゃおっかなー」という、講師の野望が達成できる人数となりました。
冷え切った楽器とチューニング
この時期は、楽器を家からスタジオなどに運ぶだけでも、びっくりするくらい冷えてしまいます。
本当は、チューニングしてからアンサンブルをしたいところですが、こんな状態で無理にチューニングしても、基準の音のピッチも下げないと合わないし、少ししたら各々ピッチが上昇してくるしで、あまり意味がありません。
クラリネットが温まってくるまでは、少し気持ちが悪いですが、気にせずに吹きましょう。
時間に余裕があれば、皆でロングトーンしたり、音階練習などをしてしっかり準備するといいですね。
じゃんけんでパート決め
さて、まずはパートを決めます。
椅子と譜面台・楽譜は、すでにセット済み。
準備ができた方から適当に座ってもらっていたのですが、じゃんけんで決めた結果、その適当に座った席のパートで吹くことになりました。
「運命」というほどのことではありませんが、なんだかおもしろいですね。
本日の演奏曲
今回演奏する曲は、グランドマン作曲の『Caprice for Clarinets』です。
この曲は、六重奏(B♭クラリネット4本、アルトクラリネット、バスクラリネット)用に書かれていますが、四重奏や、はたまたクラリネットクワイアー(大人数のアンサンブル)で吹いてもいいよ、と表紙に書いてあります。
まるで吹奏楽のような響きの、ちょっとワクワクする曲で、実はこのアンサンブルクラスが発足してから、講師が密かに温めていた曲でした。
満を持して、本日登場です。
今日の参加者の皆さんも、「聴いたことあります!」「前にやってる人達がいて、吹きたかったんです」と言って下さって、一気にテンションアップ!
さぁ、吹いてみましょう。
アンサンブルでのテンポチェンジ
軽快な四分の二拍子で始まり、中間部はゆったり流れるような四分の三拍子。
そして、また最初と同じ四分の二拍子に戻る、という、明確な急-緩-急のこの曲。
ということは、当然テンポの変わり目があります。
吹奏楽やオーケストラであれば、指揮者がテンポの変化を指示してくれますが、アンサンブルではそうはいきません。
アンサンブルの時は、1番パートを受け持っている人、もしくはその部分で最も動きのあるパートを吹いている人がテンポを出すと、わかりやすいでしょう。
何拍か前から、ベルで指揮をするように楽器を動かすと、周囲の人に伝わります。
もちろん、音をきちんと出すのが最優先。
大きく動かしすぎて、音が乱れないように気をつけましょうね。
「やったつもり」の演奏にならない
今日も、いつものように曲の最初から整理整頓して、「ここはあのパートと同じ」「ここは全員一緒!」などを、それぞれが把握していきましたが、なんとなく皆さん遠慮気味なのか、あまりフォルテが出なかったり、決めどころのアクセントが弱かったりと、全体的にふんわりした演奏。
しかし、この『Caprice for Clarinets』は、強弱のメリハリと、バシッと全パートが揃ったり、変拍子に聞かせるためのアクセントがポイントです。
書いてある場所では、書いてあることをきちんとやることが大切。
強弱やアーティキュレーションは、決して「やっているつもり」にならず、楽譜を見ていない人にも伝えられるくらいつけるようにすると、演奏に幅が出ますよ。
また、「どうしてもフォルテが鳴らない」「ここのピアノが落ちない」など、気になるポイントがある場合は、その最初の音だけを、フォルテだったりピアノだったりで鳴らしてみましょう。
続けてやると、なんだかうまくいかなくても、単音で吹けばその音量を意識して鳴らせるので、曲中でもしっかり強弱をつけられるようになります。
こまめにスワブを通そう
全体が整理できたところで、最後の休憩&お掃除。
冬場は特に、管内に水がつきやすくなります。
下にぽたぽた垂れるほどだと、掃除しなさすぎ。
ついつい、合奏やアンサンブル、パート練習などでは集中してしまって、忘れてしまうことも多いと思いますが、隙を見て掃除するくせをつけましょう。
本日の仕上がりは?
無事に掃除と、個人での最後の確認も終わり、いよいよ仕上げ。
ビシッと1回で仕上げる予定でしたが、動きが1対5になることが非常に多い「孤高の1番パート」が途中で迷ってしまったので、もう一度その部分の確認をして、再度挑戦!
2回目は、とてもかっこいい仕上がりとなりました。
やはり、吹奏楽で演奏していた方達が多いので、このような曲はお得意なんですね。
とても楽しい時間となりました。
体験の方も楽しんで下さったようで、また参加していただけるとのこと。
嬉しい限りです。
そして「こんなに人数がいるなら、今度E♭クラリネットを持ってきてもいいですか?」と言って下さった方がいて、今後はさらにできる曲の幅が広がりそうです。
2018年も、様々な曲に挑戦して、どんどん技術力・演奏力を上げていきましょう!
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