情景の浮かぶ演奏を目指そう
東京クラリネット教室
2020年10月24日、今年6回目の中級者アンサンブルが開催されました。
今日もお休みの生徒さんがいらしたものの、前回体験参加された方が、正式に加わって下さったのと、久しぶりに外部からの体験申し込みを再開したので、B♭管7名と講師のバスクラリネットの計8名でのアンサンブルとなりました。
大人数での演奏は、やっぱりわくわくしますね。
今日からは、クラリネット五重奏用に編曲された『魔女の宅急便メドレー』を演奏していきます。
♭に慣れよう
今回使用している楽譜は、クラリネットにはめずらしく、♭の調がほとんどを占めます。
クラリネット吹きに馴染みのあるのは、やはり♯なので、例えば「♭4つの楽譜」と「♯4つの楽譜」があった場合、より抵抗感が少ないのは、♯が多い方かと思います。
とはいえ、当然♭を無視するわけにもいきませんし、「レ♭だから…ドの♯か」というような考え方をしていては、いつまでも♭の音を覚えることはできません。
ロングトーンの時から、しっかり♯と♭を同列として捉えられるようにしておきましょう。
その際、楽譜をきちんと見ることによって、徐々に♭の記譜にも慣れてきますので、頭の中だけで処理せず、目から入れた情報と運指、音の響きを確実にインプットしていくようにして下さい。
曲の情景を表現しよう
さて、今回演奏する『魔女の宅急便メドレー』は、多くの方がご存知の映画音楽です。
映画音楽というのは、その映画を盛り上げるため、場面場面に合った音楽が作曲・選曲され、映像の後ろに流れているわけですので、そこで求められている「音楽が表している情景」を再現することにより、完成度が上がります。
もちろん、オリジナル曲をそのままコピーするような演奏を求めているわけではありません。
その映画を観ていない奏者もいるでしょうし、「自分達がその曲をやる意味」というのは、大いに追求すべき部分だと思います。
しかし例えば、「爽やかな海の風景」のシーンで流れている音楽を「荒れた真冬の海」のイメージでやってしまうと、何かが違ってきてしまいますね。
そしてそのイメージが、どこに影響してくるかと言うと、強弱であったり、アーティキュレーションであったりが変わってくるのです。
日本の音楽教育では「フォルテは強く」「スタッカートは短く」と、端的に教わりますが、もっともっと時と場合に応じて、ニュアンス・表現の引き出しは多くなくてはいけません。
その引き出しを増やす作業の一つが、「曲の情景のイメージ」なのです。
演奏する側がどのような情景を表現したいのか、聴いている側にどのような情景を伝えたいのか、そこまで考えて演奏することができるようになると、音楽の深みは一気に増します。
各自が共通のイメージを持つ、という点において、映画音楽はとてもとっつきやすい題材です。
曲のタイトルや、実際のシーンから受ける印象を、しっかり表現できるようにしていきましょう。
自分の役割を確実に切り替える
先月まで演奏していた『さくらのうた』に比べ、今回の編曲は「メロディー」と「メロディー以外」の役割やパートの組み合わせが、わかりやすく分かれていましたね。
とはいえ、「ついさっきまで伴奏を吹いていたのに、そのままの流れでメロディーになった」ということもありますし、その逆もあります。
きちんと自分の役割を把握し、メロディーと伴奏、対旋律や合いの手をしっかり吹き分けられる演奏を目指しましょう。
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