演奏を良くするためにアンサンブルで意識しておくこと
東京クラリネット教室2019年3月25日、今年3回目の合奏未経験者向けアンサンブルが行われました。
前回に続き、いつもご参加の生徒さんが急遽お休みになり残念でしたが、先月ご都合と合わずに、体験参加を見送られた方にお声をかけたところ、急なお話にも関わらず、お越しいただけることとなりました。
桜も咲き始め、もう「早春」ではなく本格的な春ですね。
今日は、今年に入って演奏してきた『早春賦』を仕上げ、次の季節に向けて『われは海の子』を初見で合わせてみましょう。
曲の中でスムーズに音程を合わせるための準備
アンサンブル初体験の生徒さんのために、今日もまずはアンサンブルの基礎知識からご説明。
クラリネットを準備して、軽く音出しをしたら、ロングトーンです。
楽器自体の音程の特性(特定の音が高かったり低かったり)というのがありますが、楽器によってその幅はまちまちなことと、吹き手によってその特性が強く出たり、そうでもなかったりするため、「1つ音程を合わせれば、全部がぴったり合う」なんてことがないのが、クラリネットを吹いていて、難しいところ。
今日のロングトーンでも、チューニングする前だったのにぴったり合う音があったかと思えば、3本がばらばらで「ワンワンワン…」とうなる音があったり、いろいろでした。
アンサンブルは、同じメンバーで練習を続けることが多いと思いますので、ただチューニングをして合わせをする、というだけでなく、まずはみんなで毎回ロングトーンをして、「ずれやすい音」「意識しなくても合いやすい音」を把握しておくと、曲中で自然に気が回せるようになり、演奏の精度が上がります。
八分の〇拍子の数え方
ロングトーンとチューニングを終わらせたら、早速曲を合わせましょう。
『早春賦』は八分の六拍子。
ゆっくりめの六拍子なので、「1・2・3・4・5・6」と数えながら吹いても、充分に余裕があります。
みんなで縦の線をきっちりと合わせるためには、カウントは必須ですが、必死に6数えてしまうと、どうしても流れが滞ってしまいます。
八分の〇拍子というのは、八分音符が3つでひとかたまりです。
すなわち、六拍子であれば、大きな二拍子ということ。
6のカウントと併せて、二拍子でも取るようにしましょう。
数字は、なるべく小さい方が数えやすいので、「1・2・3」「2・2・3」のサイクルで進んでいくと、カウントを見失わず、かつ二拍子が意識しやすいと思います。
それぞれ最初の「1」「2」を少し強めに考えると、二拍子らしさが出ますので、そのように複合的にカウントすると、縦の線が合いつつも、流れのある演奏になります。
また、少し長い音(付点四分音符など)も数えやすくなりますので、八分の〇拍子の曲を吹く時には、
クラリネットのベルで、軽く二拍子を取ると、視覚的にもわかりやすくなりますよ。(動かしすぎには注意!)
ちょっとの意識で演奏が激変
カウントの仕方を少し変えただけで、各パートの動きが揃いつつ、美しく流れるような演奏に変貌を遂げました。
数え方以外でも、「そんなことくらいで?」と思うような些細なことで、演奏は大きく変わりますので、一生懸命楽譜を追うことの一歩先を目指して、アンサンブルに取り組むと、より楽しくなります。
今回、体験でご参加の方からも「病みつきになりますね!」との、嬉しい言葉をいただきました。
1人1人の音がはっきり聞こえるので、ちょっぴり緊張してしまうアンサンブルですが、少人数だからこそできる演奏・楽しさがあります。
ぜひ、アンサンブルの「病みつきになる楽しさ」を、体感してみて下さいね。
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