統一感のある演奏をするために押さえると良いこと
東京クラリネット教室2020年7月27日、今年3回目の初級者アンサンブルが行われました。
他のアンサンブル3クラスもそうですが、今月は無事に開催することができて、本当に良かったです。
少しアンサンブルしにくいセッティングになってしまうのは、今は我慢。
同じ空間で一緒に演奏できるだけでも、ありがたいですね。
本日は、1名お休みでしたが、以前から体験のお申し込みがあった生徒さんがいらして下さったので、講師含め4名でのアンサンブルとなりました。
早く、一般の方の体験も受け付けられる状況になってほしいものです。
今回の演奏曲は、1・2月にも合わせた『小さな世界』と、だいぶ前に楽譜をお渡ししたので、何度もやっていた気がするけれど、実はちゃんとやるのは初めて、という『星に願いを』です。
「音が合った状態」を体験しよう
今回体験参加の生徒さんは、アンサンブルするのが初めてとのこと。
初級者アンサンブルの定番、「全員でロングトーン」からまずは始めましょう。
このロングトーンはウォームアップも兼ねているので、チューニングはせずに始めるのですが、一番最初の音・最低音「ミ」がなんとぴったり合ってるではないですか!
3名の音が、ぴたっと1つに聞こえるのは、なんとも爽快な気分になりますね。
その後も、下管の音域は素晴らしく合っていましたが、上がっていくにつれて、人数分の音が聞こえる→レジスターの音域(下管)は合う→上に行くとまたずれる、といった状況。
「音が合わない」という状態は、「音が合う」体験をするからこそ、わかるものです。
それを体感するには、とても良いロングトーンとなりました。
少し吹いたら忘れずお掃除
以前から使っているこちらの施設、今月から貸し出しを再開したのですが、新しく追加された注意事項の1つが「管楽器演奏の際は、水を床に落とさないで下さい」。
もちろん、わざと落としているわけではないのですが(特に木管楽器奏者は)、かねてからお伝えしているように、クラリネットは水が垂れるほど掃除をしないのは、演奏上良くありません。
トーンホール(指穴)から水が出てきてしまったり、キーでふさいでいるホールに溜まってしまってプルプル鳴ったり、掃除をしないことのマイナスポイントはたくさんあります。
神経質になる必要はありませんが、スワブやスマートロッドを使って、管内の水分はこまめにとるようにしましょう。
揃ったアンサンブルになるちょっとしたコツ
今回、この3名でのアンサンブルは初めてなわけですが、以前から何回も演奏しているかのように、揃った演奏だなぁと感じました。
その大きな理由は、音量とテンポ感ではないかと思います。
音量
『星に願いを』は、このアンサンブル用にアレンジした楽譜を使っているのですが、最初のメロディーを各パートに割り振っているので、まずは1番が2小節、2番が2小節、3番が4小節、というふうに、バトンタッチをしていくようになっています。
3番の後半2小節以外は、演奏するのはメロディーのみ。
完全なソロ演奏です。
この部分が上手に聞こえるかどうかの鍵の1つが、先述の「音量」なのですが、これがこのお三方は驚くほど同じだったのです。
まるで、1人で吹いているかのよう!
多分、意図して「揃えなきゃ!」としているわけではなく、たまたま楽に吹かれた音量が同じだったのだとは思いますが、ごく自然に受け渡し・受け取りができていて、とても良い演奏でした。
次のステップとしては、「前にメロディーを担当していた人が、これくらいの音量で吹いていたから、同じくらいにしてみよう」「雰囲気も同じようにしてみよう」と、自分の意思で揃えることができると、曲全体の流れや統一感が生まれます。
テンポ感
また、講師の手拍子なしで演奏していただいた時にも、全員のテンポ感が揃っていました。
実は、ほんの少しずつ遅くなってしまっていたのですが、どなたかだけが遅い、というわけではなく、みんなでお互いに気を配った結果、後ろに引っ張られていくような演奏になってしまった、ということでしょう。
これは、アンサンブルの経験値が上がってくれば、探りすぎずに、テンポをキープしたまま周囲と合わせられるようになってきますので、あまり気にしなくて大丈夫です。
人それぞれ、「テンポのくせ」というものがあり、速くなってしまうタイプと、遅くなってしまうタイプに分かれるので、意外に全員で同じテンポを感じ続けるというのは難しいもの。
それが自然にできている、というのは、とても良い傾向だと思います。
今後は、遅くならずに、周りが聴けるようにしていけたらいいですね。
今日できたことを次回につなげよう
久しぶりのアンサンブル、かつ、初参加の方がいらしたので、ちょっとドキドキのスタートでしたが、和やかな雰囲気の中、確実な手応えのあるアンサンブルとなりましたね。
最初に通した時と比べると、最後の通しは格段に良くなっていましたので、次回までなるべく今日の状態を維持しておけるように、個人練習をしっかりしておきましょう。
「ここができたらもっと良くなるな」というポイントも、きちんと見返しておいて下さいね。
来月も楽しく演奏できることを、楽しみにしています。
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