クラリネットは良いイメージを大切に吹こう
お仕事がお忙しい中、毎日コツコツと練習をしてきて下さる生徒さんのレッスンでした。
刷り込まれた苦手意識
この方、楽器を始めて間もない頃に「一番低いソの音は鳴りにくい」と、何かのきっかけで思われてしまったようで、すっかり無意識下にそれが刷り込まれてしまっています。
実際に楽器として鳴りにくい音ではないのですが、確かに初心者が最初につまずきやすい音ではあります。
右手薬指でふさぐトーンホール(指穴)が、他のものに比べて、かなり大きいからです。
ただでさえ弱い薬指、しかも一番遠い場所に位置し、トーンホールは大きく、ちょっとでも力が入るとずれてしまいます。
ずれれば、音は鳴りません。
慣れてきて、わずかなずれなら音が鳴らせるようになってきても、当然鳴りやすくはありませんので、その積み重ねで「この音は鳴りにくい」と認識されてしまったのだと思います。
今は、離れた音からその低いソに飛ぶ練習曲をやっているのですが、おうちで練習している時には問題なく鳴るものの、レッスンでは全くソが鳴らない…という状況。
苦手な部分は繰り返し、ゆっくり練習するのが基本ですが、それも行っているし、いかんせんおうちでは曲の中でもできているということで、これはもはや気の持ちようかと思われます。
苦手意識を克服する方法
「ここ苦手なんだよな…」「うまく吹かないと!」と思う部分は、無意識に体が緊張状態になります。
緊張すると、力が入ります。
力が入れば、通常の演奏ができにくくなります。
そこで上手に吹ければ問題ないのですが、失敗すると「ほら、やっぱり…」という思いが積み重なっていき、ますます身構えてしまう…というループに、はまりこんでしまうのです。
思い込みを意識して練習しよう
結局、今やってるこの練習曲は、保留にすることにしました。
もう2ヶ月近くやっていて、あまりしつこくやると、嫌いになってしまう可能性があるし(すでに嫌かもしれませんが…)、かと言って「家では大丈夫なんです」との言葉を疑うわけではありませんが、私の前で吹けたことはないので合格にもできず…
苦肉の策です。
おうちでも、吹き始めの1・2回は鳴らないことがあるとおっしゃっていたので、「何回やってもきちんと吹ける!」という状態になったら、また聞かせてもらうことにしました。
その間に、すっかりついてしまった「低いソは鳴りにくい」「跳躍進行だとソは鳴らない」のイメージを、払拭していただけたらいいなぁと思います。