クラリネットを演奏する上で「書く」ことの大切さ
レッスンで、部活で、普段の練習で、クラリネットを吹く際に「楽譜に書く」作業をしていますか?
「何を?」と思った方、今日からクラリネット・譜面と併せて、楽器を吹く時には必ず筆記用具を手元に用意しましょう。
書くことは、上達には必須なんです。
何を書くの?
以前にもお話しましたが、楽譜にドレミを書き込むことはお勧めしていません。
しかし、気づいたことや注意されたことをどんどん書き込み、「自分だけの特別な楽譜」を作り上げることは、良い演奏に不可欠です。
では、具体的に何を書くべきなのか、考えてみましょう。
一度間違えた音
調号や臨時記号を一度でも落とした音には、すかさず♯♭・ナチュラルなどを書き込みましょう。
一度間違えたということは、また間違える可能性がある、ということです。
放置してはいけません。
私は、音符の上に大きめに書きますが、もちろん自分の見やすいように書いて構いませんので、二度と間違えないよう、書き込んでおきましょう。
とっさに読めない音
音が高すぎる・低すぎる、などの理由で、どうしてもパッと読めなかった音には、一時的な対処として、ドレミを書いても構いません。
ただし、読めるようになったら、これは消しましょう。
カタカナで書くのがなんとなくはばかられるのであれば、ドイツ音名で書いておくといいですが、もちろんドイツ音名を読むのと同時に、その音が吹けなければ意味がありませんので、ドイツ音名に慣れていないのであれば、無理をしなくて大丈夫です。
曲想や演奏に関すること
楽語は当然楽譜に書いてあり、その場その場の指示があるはずですが、それ以外にも吹いていて気になったこと、気づいたことを、どんどん書き込みましょう。
その際は、なるべく端的に「明るく」「大げさに!」など、瞬間的に情報をキャッチできる文字数で書くと、演奏に役立てやすいでしょう。
注意を向けるべきパート
アンサンブルや合奏であれば、自分と同じことをやっているパートや、メロディーをやっているパートなど、注意を向けた方がいいパートを書いておきましょう。
頭ではわかっていても、いざ合わせている時には、別のことに気が向いてしまうこともあります。
しかし、文字として情報を残しておくと、演奏中にしっかり気を回すことができますので、「2nd」「Tp.」「Fl.」など、メモしておくといいですね。
指揮者などからの指示
合奏で指揮者から言われたことは、すぐにメモをし、なるべく早い段階で、求められている演奏ができるようにしましょう。
部活に教えに行った時に「ここは指揮者の先生になんて言われた?」と聞いても「わかりません…」という答えが返ってくることがあります。
「特に指示はありません」ではなく「わかりません」は、まずいですよね。
言われたら、すぐに書き込むことを、当たり前のことにしましょう。
筆記用具は常備
書き込むには、当然筆記用具が必要です。
楽譜書き込み用には、なるべく鉛筆を用意して、いつでも楽譜とセットで持ち歩くようにしましょう。
シャーペンや消せるペンなどでも構わないのですが、昔から鉛筆が推奨されています。
上達が著しいな、と感じる人は、何かこちらから伝えた時に、さっと書き込む習慣があります。
「あ!忘れた!!」がないようにしましょう。
書き込みによって精度の高い演奏を
もちろん、やるべきことや指示を、もれなく記憶している、ということであれば、わざわざ書き込まなくても構いません。
しかし、それは難しいですよね。
吹いたあとに「あ、そういえば…」ということでは、質の高い演奏をすることはできませんので、書き込むことが必要なわけです。
積極的に書き込みをして、必要がなくなったと感じれば、消せばいいだけ。
気づいたこと・言われたことをどんどん書き込み、より良い演奏を目指しましょう。