クラリネットソロ曲の演奏に挑戦してみよう
個人レッスンに通われている方の目的・目標は様々ですが、東京クラリネット教室の生徒さんで、発表会で演奏するためのソロ曲に挑戦されている方は、小学生から70代までと、実に幅広くいらっしゃいます。
この「ソロ曲の演奏」、なんと飛躍的な音楽力と技術力の向上が見込めます。
特に部活でクラリネットを始めた場合、「1人で吹くなんて恐ろしい…!」という方も多いと思いますが、部活でさらに良いパフォーマンスをするためにも、ソロ曲を吹いてみることはとても有意義です。
今回は、演奏力の向上に活きる、ソロ曲の選び方をお伝えしましょう。
ソロ曲とは
まず、これまで「ソロ曲」と連呼していますが、これについてご説明すると、「ピアノ伴奏つきのクラリネット曲」のことを指します。
もちろん、「無伴奏」という形式もありますが、そちらは専門性が高いので、教室のレッスンでは特にお勧めはしていません。(もちろんご希望があればできますよ!)
このピアノ伴奏によるソロ曲というのは、ディズニーやジブリ、J-POPや映画音楽を始め、演歌、ジャズ、クラリネット用に書かれたがっつりクラシックなど、実にいろんなジャンルの曲が演奏できますし、楽譜も多数出版されています。
好みや目標によって、希望の曲を選ぶことができますね。
曲の選び方
ソロ演奏に挑戦することを決めたら、次は選曲です。
先程も書きましたが、曲を選ぶ時には
- 好み
- 難易度
- どういうことができるようになりたいか
などを考慮するといいでしょう。
好み
演奏するからには、好きなものがいいですよね。
具体的に好きな曲があれば、その曲の楽譜を探してみるのもいいですし、ジャンルとして好きなものがあれば、いろいろ音源を聴いて目星をつけてから、楽譜が出ているか調べたり、逆に、好きなジャンルで楽譜になっている曲を選ぶ、というやり方もあります。
また、生徒さんの中には「かっこいいもの」「他の人が選ばなそうな曲」なんて基準で選曲されている方もいらっしゃいます。
それもおもしろい着眼点ですね。
とにかく「これ、吹いてみたいかも!」と思う曲であれば、練習を頑張るモチベーションにもなりますので、自分なりの好みを見つけてみましょう。
難易度
好みの曲が著しく難易度の高い曲の場合、それは今やるべき曲ではないかもしれません。
「今のレベルでできる曲」を選ぶのではなく、「自身が向上できるような曲」を選ぶことは大切ですが、かといって、難しすぎる曲は、上達に時間がかかって練習が嫌になってしまったり、ずっとやることで飽きてしまったりと、あまりいい結果を生みません。
もしそのような曲があれば、「いずれやりたい曲」として、目標にしましょう。
そして今は、すらすらとは吹けないけれど、頑張ったらどうにかなるかもしれない曲を選ぶと、確実にレベルアップを図ることができます。
「難しすぎない。でも簡単すぎない」を基準に選ぶようにするといいですね。
どういうことができるようになりたいか
これは、難易度の部分にも通じる話ではありますが、別の角度からも考えてみましょう。
例えば、「音楽的に吹く、ということがよくわからないから、その部分を磨きたい」というのと、「曲の中でも、安定して指を速く動かせるようになりたい」では、当然選ぶ曲は変わってきます。
今一番自分が必要としているもの、やってみたいものをまず考えましょう。
「音楽的演奏も速い指回しも、どちらもできるようになりたい!」と、目標が1つでなくても構いませんが、くれぐれも無理はしないようにして下さい。
「難易度」の項でお伝えしたように、嫌になったり飽きたり、という結果に繋がる可能性があります。
あれもこれもと一気に頑張らず、1つずつ着実に身につけていきましょう。
本番で吹くことを目標にしよう
「人前で、しかも1人で吹くなんて、絶対嫌!」という方も、きっと多くいらっしゃるでしょう。
しかし、発表会などで仕上げの期日を区切ること、人の前で吹くという緊張感が、クラリネット演奏の上達に大きな効果があることは確かです。
「できるようになってきたら、発表会に出ることにしようかな」でも悪くはないのですが、どうしてもゆるゆるとした練習になりがちなので、例えば「少し先だけど、1年後の発表会に出よう!」などの具体的な目標を立てることで、どうにか練習時間を確保しようとしたり、効率的な練習は何か、を考えるようになったりと、計画性を伴った練習ができるようになります。
そのように練習できれば、どんどんと上達していくのは、想像に難くないですね。
人前で吹きたくない場合は
ただ、「どうしても人前での演奏は嫌…」という方も、いらっしゃると思います。
その場合は、もちろん無理はしなくて大丈夫です。
「子供の頃に、発表会が嫌でピアノを辞めた」というのは以前からよく聞く話で、そんな思いはしていただきたくないなとずっと思っていますので、無理強いはしません。
どうしても人前で吹くことへの決心がつかない時は、「この曲はいついつまでに仕上げよう」と、自分の中で区切り・目標をしっかり持って練習に臨むようにしましょう。
それにより、本番に挑戦する時と同じように、計画的な練習をして、上達することができます。
そして、もしかしたら、練習しているうちに「せっかく練習したから、ちょっと発表会で吹いてみようかな」と思えるようになるかもしれません。
東京クラリネット教室では、半年に1回発表会を行っていますので、年に2回、人前で演奏できるチャンスがあります。
「ふと思い立ったのに、発表会は終わったばかりだから、次は1年後だ…」ということはありません。
やる気を削がれることなく、ステップアップの機会に挑むことができますよ。
できることが増えればもっと楽しい
貴重な時間を使って、レッスンに通っていただいているので、「前よりも上手に吹けるようになったな」と実感していただけて、できることが増えたことで「前よりもさらに楽しいな」と感じていただけたらいいなと思っています。
好きな曲の演奏で、どんどんできることを増やし、もっともっとクラリネットを好きになって下さいね。