楽器を吹くための口の筋肉を落とさない練習時間の取り方
初心者の方のレッスンでした。
先月は、体調が悪く、2回目のレッスンを休まれたので、楽器に触れるのが約1ヶ月ぶりになってしまいました。
楽器の組み立ても少し不安そうで、音を出す時になったら「またここ(音の出し方を探るところ)からかぁ…」とため息混じり。
やはり、実際に出さないと、音を出す感覚は忘れてしまうので、早く楽器を購入できる季節になってほしいですね。
楽器を吹かない日が続くと…?
しばらく楽器に触れられなかった時に気をつけなければいけないのは、口の筋肉が落ちてしまっていることです。
クラリネットを吹く時に必要な口の横の筋肉は、クラリネットを吹く時にのみ「支える」という働きをしています。
したがって、使わなければすぐに落ちます。
落ちると何がまずいのかと言うと、通常のアンブシュアでは、息がもれないように支えることができなくなってしまうので、不自然にきゅっと口の横を引っ張って、締めてしまいます。
引っ張れば、必然的に唇にも力がかかり、圧力が変わってしまうので、息が入りにくくなってしまうのです。
良くない癖というのは身につきやすく、取れにくいので、このような吹き方で無理に吹き続けることは、絶対に避けるべきです。
息がもれる、口の締め方の感覚が変わってきた、など「口が疲れたかも」と思った時は、長めの休みを取るか、思いきって練習をやめましょう。
時間があるのならば、譜読みや、細かくて吹けない箇所の再確認など、楽器を吹かずにできる練習に切り替えるといいですね。
一工夫で筋肉の維持につながります
この生徒さんのように、楽器をまだ持っていない方は仕方がないのですが、家での練習時間の取り方を少し工夫すると、口の筋肉の維持がしやすくなります。
理想の練習は、毎日30分以上吹くことですが、なかなかそれも難しいと思います。
そこで、例えば今、「週1回30分」吹いているのならば、それを「毎日5分ずつ」に変えましょう。
練習というと「ある程度まとまった時間を取らねばいけない」と考えている人も多く、その結果が「週1回30分」なのだと思いますが、それよりは、やはり5分ずつでも毎日吹いた方が、継続的な練習という意味で、効果があります。(楽器の出し入れは、少し面倒ですが…)
もちろん、長く時間が取れる日は、30分、1時間と吹けると、より良いので、そこでしっかりと吹き続けるためにも、短い時間でもできるだけ毎日時間を取るように、教室の生徒さん達にはお話しています。
しかし、「どうしても週1回しか無理!」という方もいるでしょう。
その場合は、できるだけ楽器を吹く日が偏らないように心がけるといいですね。
どういうことかと言うと、例えば日曜日にレッスンや吹奏楽団の練習などがあるとして、前日土曜日に練習する(2日続けて吹いて、5日吹かない)よりは、水曜日や木曜日などに練習する方(間が2日か3日)が、筋力の落ち方が多少緩やかで済みますよ。
ライフスタイルに合った練習を
仕事や学校が忙しい、家で音が出せない、など、練習ができない理由は、いろいろあるかと思います。
上手に時間を取って、自分の生活に合った練習を考えて、実践してみて下さいね。