周りの音を聴きながら「合わせて吹く」ということ
楽器の修理が無事終わり、「久しぶりに自分の楽器を吹きました!」という生徒のレッスンでした。
つい最近戻ってきたばかりなので、あまりたくさんは吹けなかったようですが、やっぱり自分の楽器がいいですよね。
今日は、次回アンサンブルの曲を3曲全部やりました。
三重奏や四重奏をやるので、音が足りませんが、私も一緒に吹いて、簡易アンサンブルです。
「合わせる」ということ
1人で気ままに吹くことと、アンサンブルや合奏で吹くこと。
一番大きな違いは「合わせる」という行為が発生するかどうかです。
周囲に一緒に演奏する人がいる時には、「周りを聴いて」「合わせ」なければなりません。
ここで間違っていただきたくないのは、「周りを聴いて」「合わせる」ことは、「聴いてから吹く」わけでも「おどおどと周りを探りながら吹く」わけでもない、ということです。
自分のパートを責任を持って吹きながら、メロディはどのように吹いているのか、伴奏はどんなニュアンスなのか、自分と同じことをやっているパートはあるのか、など、周囲に気を配る。
そして、一緒に吹いている人とテンポ感やリズム感を共有し、「1つの曲を作り上げる」。
これを簡単に言った言葉が「合わせる」です。
他のパートにつられないために
「合わせる」ことは、はっきり言って大変です。
まず自分のパートがしっかり吹けていること。
曲の全体が把握できていること。
周囲を聴きながら吹く余裕を持つこと。
これらを総合的にやらねばなりませんが、個人的な意見としては、周りの音を聴くのが一番難しいと思います。
周りを聴こうとすると、自分とは全然違うことをやっているのに、うっかりつられてしまったりするからです。
特に、知っている曲だと、メロディに引っ張られやすくなります。
今回やる『トロイメライ』も、メロディが伸ばしている時に、伴奏パートが入る、ということが多いのですが、ついメロディと一緒に伴奏が動いてしまう…ということが、何回かありました。
これを克服するには、やはりまずは数をきちんと数えながら、自分のパートを固め、余裕が出てきたらメロディを想像しながら(頭の中で流しながら)吹く、ということを繰り返すのがいいでしょう。
もし、比較的簡単に吹けそうなメロディであれば、メロディを吹きながら、自分のパートを想像してみる、というのも効果的ですね。
でもそれが楽しい!
周りの音を聴いて合わせることは、とても大変ですが、それがアンサンブルの醍醐味です。
全員が譜読みしたばかりの段階でみんなで吹いてみるのと、だんだん曲を吹き込んできてみんなで練習するのとでは、後者の方が断然楽しいですよね。
それは、周りに気を配る余裕が生まれてきたからです。
しっかり個人練習を積み重ねて、アンサンブルで音のやりとりを楽しんで下さいね。