クラリネットで『宝島』をかっこよく吹くコツ
昨年11月に行われた、吹奏楽の聖地・普門館の閉館イベントでは、来場者による大合奏が何度も起きたという、超有名曲『宝島』。
実際に吹いたことがある人も、まだ吹いたことがない人も「かっこいいから好き!」という方が多いのではないでしょうか。
東京クラリネット教室の合奏経験者向けアンサンブルも、第3回発表会で『宝島』を演奏しました。
今回は、そんな『宝島』が、もっともっとかっこよくなるコツを、B♭クラリネット目線でお話していきましょう。
派手に吹こう!
『宝島』は、全編通して、元気よくにぎやかな曲です。
サックスソロでは、みんなが伴奏に回りますが、常にワクワク感が感じられる演奏を目指しましょう。
まずこの曲は、ノリノリのパーカッションのソリで幕を開けます。
それを受けて、管楽器が登場するわけですが、元気いっぱいに、とにかく派手に吹きましょう。
また、サビの部分では、クラリネットはオブリガード(対旋律)を吹いています。
メロディーをかき消すくらいの気持ちで(あくまで気持ちだけですよ!)のびのびと吹くと、かっこいいメロディーとの相乗効果で、盛り上がること間違いなし!です。
シンコペーションはかっちりと
そして、この『宝島』には、シンコペーションが多用されています。
そのリズムをはっきり・くっきり出すのがポイントです。
普段、吹奏楽のオリジナル曲などでは、シンコペーションが出てきた場合、最初と最後の短い音を短く、真ん中の長い音をしっかり長く吹くことで、拍に対してのイレギュラー感を強調します。
「タッタータッ」という吹き方ですね。
しかし『宝島』のような曲では、その吹き方は当てはまりません。
「タタッッタ」という吹き方にすることで、リズムがはっきりして、躍動感が生まれます。
この吹き方がとても重要。
それも含めて、シンコペーション演奏の際は
- 拍のあたまはしっかりはめる(縦の線を意識!)
- タイや八分音符が必要以上に長くならないようにする(むしろ短め)
- タンギングをしっかりする
という点に気をつけて吹くと、一気にかちっとした、締まりのある演奏になります。
拍にはまる音はしっかり押さえよう
また、二分音符や四分音符、八分音符など、拍にはまる音符(拍のあたまに合う音符)は、絶対に流れないようにしましょう。
赤で囲われている音が、それに当たります。
特に、八分音符が2つ並んでいる部分は、「タン・タン」と少し重めに吹くことで、周りのシンコペーションとの対比となり、それぞれのリズムが際立ちます。
難しいリズムが続くと、ついつい拍を押さえることを忘れがちですが、縦の線が揃うと、リズムが見えるだけでなく、合奏のクオリティーが上がります。
拍のあたまにはまる音には、細心の注意を払いましょう。
吹奏楽でもアンサンブルでも注意点は同じ
今回、東京クラリネット教室合奏経験者向けアンサンブルでは、クラリネット七重奏用に編曲された楽譜を使用しました。
この楽譜は、吹奏楽でよく使われる「ニューサウンズインブラス」から出ている『宝島』と同じ調・同じ長さで書かれていて、「もしクラリネットの人数が足りなくても、他の楽器と一緒に演奏できます!」という優れもの。
「吹奏楽でやりたいけど、なかなか機会がなくて…」という方も、小編成で演奏することができます。
気になる方は、楽譜を探してみて下さい。
また、ここでお話したことは、吹奏楽でもアンサンブルでも活かせますので、ぜひかっこよく『宝島』を吹き上げて下さいね!