アンサンブルを揃えるコツはブレスを揃えること
東京クラリネット教室本日は、合奏経験者向けアンサンブルが行われました。
年末が近づき、ご都合がつかない方も多い中、今日はB♭クラリネットで4名の方がご参加下さいました。
ここのところ、大人数で演奏していたので、なんだかちょっと寂しい気もしますが、バスクラリネットと合わせて五重奏なら、決して少なくはないですよね。
発表会に向けて、あと2回。
今日は、2曲演奏するうちの1曲、『星に願いを』を演奏します。
この曲は、3ヶ月前のアンサンブルで演奏した曲。
本日の参加者の方々は、その時にもいらしていただいていましたが、2時間で初見の状態から仕上げまでやったので、忘れていることも多いはず。
しっかり思い出しましょう。
間が空いた曲を演奏する前にやっておくべきこと
まずは1回通してみましたが、やはりあちこち忘れてしまっていますね。
雑然としています。
吹く瞬間や吹いたあとに「そうだ、ここはこうやるんだった!」と気づいても、もう取り返しがつきません。
しばらく間が空いてしまった曲をやる時には、あらかじめ必ず楽譜を見返しておきましょう。
音を出す時間がなくても構いません。
強弱や、アーティキュレーションはもちろんのこと、どのパートと一緒に動いているのか、注意すべきポイントはどこだったのかなど、楽譜を見てしっかり思い出しておきましょう。
クラリネットは、替え指を多用する楽器ですので、そういう部分もチェックしておけるといいですね。
この作業をやっておくかどうかで、みんなで演奏した時にできることが、大きく変わってきます。
思い出す作業をするためには、合わせの時に指摘されたことや気づいたことを、きちんと楽譜に記入するクセをつけておくことが大切です。
どんな時でも、楽譜と一緒に鉛筆を用意しておきましょう。
できたこととできなかったことを確認
通したあとは、個人練習をして、
- 今できたこと
- 覚えていたけれどできなかったこと
- 忘れていたこと
を確認。
個人練習の時に細かく確認作業をすることが、今後の合奏を左右しますので、しっかり冷静に、できたこととできなかったことを仕分けていきましょう。
もちろん、覚えていても指が回らない、強弱やアーティキュレーションがきちんとつけられない、などもあると思いますので、それも効率的に練習できるといいですね。
丁寧に、なるべく大きな音で楽器を鳴らし、耳でも確認するように心がけると、より効果的な練習になります。
揃った演奏のカギは、各小節への入り方
個人個人で確認が終わったら、みんなで合わせていきます。
ソロでもアンサンブルでも、演奏する上でとても大切だなぁと最近強く思うのが、フレーズ途中の小節のあたまをちゃんとはめること。
フレーズの最初は意識しやすいのですが、フレーズ途中にある小節はなかなか気が回りにくく、なんとなくなだれ込んでしまうことが多々あります。
「なだれ込む」と一口に言っても、なだれ込み方は千差万別。
人数が多ければ多いほど、バラバラッとなりやすいので、テンポや拍子を各自がしっかり意識して、各小節のあたまの音のタイミングを揃えるようにしましょう。
ただし、気にしすぎて音楽が止まってしまっては、本末転倒です。
音楽の流れは止めることなく、テンポ・拍子を意識し、プレイヤー同士のアイコンタクトや、楽器のちょっとした動きで、バシッと各小節を合わせていけると、クオリティーの高い演奏になります。
ブレスが揃うと精度が上がる!
もう1つ、かっこいい演奏をするコツ。
ブレスを揃えましょう!
今回の『星に願いを』は、途中からスウィングになるのですが、ところどころ全員揃って同じ動きをすることがあります。
ここで、それぞれが思い思いに息を吸っていると、出だしが揃わないだけでなく、音のスピード感が異なってしまい、ニュアンスが違う演奏になってしまいます。
想像するだに、かっこよい演奏とは、程遠いですよね。
しかし、ブレスするタイミングやスピードを揃えることで、驚くほどにかっこよさが増します。
もし余裕があれば、その部分を吹いている中でのトップのパートの人は、ちょっと楽器を動かして合図を出せると、さらに精度が上がりますので、練習してみて下さい。
復習することで、自分のものになる
今日は、残念ながら3番パートがいませんでしたが、かなりまとまりが出てきて、良い演奏になってきたと思います。
次回アンサンブルは、発表会の前日。
また少し間が空いてしまいますし、来月のアンサンブルのあとには、練習し直す時間もないと思いますので、今日演奏したことをしっかり思い返し、定着させておいて下さいね。
また、『宝島』に関しても、思い出す作業をしっかりお願いします!
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