メロディーや伴奏の受け渡しを確実にしよう
東京クラリネット教室今日は、合奏経験者向けアンサンブルの日でした。
数日前の予報では、台風の影響があるのではないかと心配していましたが、早めに過ぎ去ってくれて良かったですね。
なんだかんだ、皆さんお忙しい夏。
今回もあまりメンバーが集まらないかなぁと、ちょっとドキドキの日々でしたが、発表会にも参加された方が1名と、体験にいらして下さった方が2名、急遽来てくれることになったバンドアンサンブルメンバー1名と講師を合わせて、5名でのアンサンブルとなりました。
良かった、良かった。
お馴染みのM8!
本日の演奏曲は『ルパン三世のテーマ』です。
この曲は、バンドアンサンブルでもお馴染みの曲。
「吹奏楽を経験された方は、こういうジャンルの曲も懐かしくていいのではないかな」ということで、今回選んでみました。
使ったのは、こちらも懐かしい「M8(エムハチ)」の楽譜。
「M8」とは、「ミュージックエイト」という出版社の略称で、吹奏楽部ではしょっちゅう飛び交っている言葉。
比較的易しいアレンジのものが多く、流行りの曲などもすぐに出版されるので、使っている団体はかなり多いはずです。
「懐かしのM8ですよ~」と言いながら配ったら、「わぁ!M8なんて、懐かしすぎです!」との声が。
では、あの頃を思い出しつつ、早速初見スタートです!
楽譜をきちんと読み込む
パッと見た感じ、多少厄介なリズムはあるものの、「超」がつくくらい有名な曲ですので、なんとか雰囲気で乗り切ることができ、とりあえずは通りました。
ただ、そういう曲の方が、実は仕上げるのが大変なんです。
ついつい思い込みで吹いてしまうからです。
以前にも、そういうことがありましたね。
あれは、ちょうど1年前のことでした。
「なんとなーく吹けちゃう曲」は、しっかりとした譜読みが大切です。
15分ほど時間を取って、じっくり読み込んでいただきましょう。
吹く人によって演奏の質を変えない
この曲は基本的に、メロディーに対して、3パートがリズムを刻み、バスクラリネットがベースラインを支えています。
ただ、ある時は1番、ある時は2番、そして最終的には3番も…と、フレーズごとにメロディーが移り変わっていくので、どのパートがメロディーでも、誰が伴奏であっても、同じように聞こえることが求められます。
書かれている音は同じでも、吹いている人が変われば、響きや雰囲気は変わるもの。
しかし「やってる人が違うんだから、しょうがないよねー」とはしたくなかったので、同じことを延々やることになってしまう方もいましたが、徹底して伴奏の吹き方を揃える作業を繰り返しました。
メロディーの方は、その間休みになってしまうわけですが、自分にも伴奏が回ってくるのがわかっているので、きちんと講師からの指示や、皆がどう吹いているかに耳を傾けていらっしゃって、「さすが合奏経験者だなぁ」と感心しました。
吹いていない時間を有意義に
吹奏楽やオーケストラでも、他のパートが捕まっていて「あー、暇だなー」なんて思うこともありますが、その時間は休みではありません。
自分も、別の部分で同じことをやっているかもしれないですし、まるっきり同じではないにしても、似たようなことを吹く機会があることもあります。
また、自分のパートとどのように絡むのか、自分はそこにどう乗っかる、または支えるべきなのかなど、吹いていない時間をいかに意味のあるものにできるかで、合奏の質は格段に上がります。
合奏中「さっき○○パートに言ったでしょ!」なんて、怒られたりしている人は、今後注意していきましょうね。
かっこよく聞かせる技
こういうノリのいい曲でポイントになってくるのは、長い音符と休符です。
長い音符
絶対とは言えませんが、基本的に抜かないようにします。
長い音符を、必要とされている分しっかり張って鳴らすことで、演奏に締まりが出ます。
「美しーく」「それっぽーく」抜いてしまう吹き方は、ここではやめましょう。
字にするのは難しいですが「ダーッ」っと吹くと、かっこよくなります。
休符
まず、拍のあたまに休符がある場合は「ンッ」と飲み込むような気持ちで吹き出すと、音の立ち上がりがクリアになります。
休符は、よく「ウン」と表されることが多いのですが、それだとのほほんとした出だしになってしまいます。
また、小節の途中で休符がある場合は、前の音の余韻をなんとなく残したりせず、しっかり音のない空間を作るようにしましょう。
一気に、メリハリのある演奏になります。
練習の成果を出して仕上げよう
細かいニュアンスも揃え、最後に通し。
ちょっと疲れも見えましたが、初見の時とは比べものにならないくらい、ビシッとかっこよい演奏になりました。
普段、バンドでこの曲を吹いている生徒も、いつもとは違う曲の作り方・仕上げ方に、演奏後思わず拍手!
編成は小さかったものの、吹奏楽の練習方法を垣間見てもらえたのではないかと思います。
皆さんが、初見からほんのわずかな時間で曲を仕上げていく、ということにも、驚きがあったようです。
先月も書きましたが、いつもと違うクラスや編成に参加すると、いい刺激になりますね。
おまけの1曲
最後は、ほんの少し時間が余ったので、以前も別メンバーでちらっとやった『世界の車窓から』を軽く…と思ったのですが、十六分音符だらけで、複雑な楽譜に、皆さんこの表情。
呆然としている方々の中、「私は初見はやらないでーす!」と言う生徒は、1人でにやにや。
無理矢理通しちゃいましたが、「???」な曲でしたね。
いつかしっかりやりましょう。
体験でいらして下さった方々含め、楽しんでいただけたみたいで良かったです。
また来月も良い時間を過ごしましょう!
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