第4回音高・音大受験の実技模試
2019年2月10日(日)、本年2回目となる、東京クラリネット教室「第4回音高音大受験の実技模擬試験」が行われました。
「専攻楽器のレッスンを受けているから大丈夫!」とはいかないのが、音大や音高の入試。
より本番に近いシチュエーションだからこそわかる、待ち時間や音出し室での過ごし方、試験会場などでの立ち居振る舞いまでも、実践的に学んでいただくのが、この「音高音大受験の実技模擬試験」です。
いよいよ来週に入試を控えた生徒もおり、先月の第3回実技模試に比べ、より緊張感のある会となりました。
本日は、さらに突っ込んだ講評をいただくために、参加者の専攻楽器に合わせ、クラリネットとトランペットの先生にお越しいただきました。
講評の時間が楽しみですね。
余裕を持った到着が心の余裕を生む
今回、受験生の方々にお伝えした集合時間の30分以上前に、会場となるスタジオに着いたところ、すでにお一方到着されていました。
先月の模試の際にも書きましたが、時間の余裕を持つことはとても大切です。
実際今朝も、中央線・総武線が遅れていました。
「駅に着いて愕然とする」「大慌てで学校に駆け込む」というようなことがないように、しっかり下調べをしておきましょう。
控え室でやるべきことを考えておく
今回は、先月参加の3名中1名がすべり止めの入試と重なってしまい、参加することができませんでしたが、引き続きご参加の2名のために、前回とは全く違う部屋で、全く違う段取りをご用意しました。
まずは、2人一緒に控え室へ。
1人の生徒の受験校が、「音出し時間約15分」と公表していることもあり、音出しを同じく15分に設定。
長い音出し時間が設けられている場合、どのように過ごすかはかなり重要です。
本番が最も良い状態になるよう持っていくことに、一番の重きを置きましょう。
控え室で吹きすぎて、自分やリードがバテてしまったり、水が溜まった楽器のまま試験会場に向かうようなことは、絶対に避けなければなりません。
受験する学校が、音出し時間を公表していないようであれば、5分・10分・15分・20分など、可能性のありそうな時間を想定して、それぞれどのように時間を使うべきか、イメージをしておくといいですね。
長い場合は、掃除ができるように、スワブもポケットに忍ばせておきましょう。
模擬試験を経験するからこその成長
本日1回目の模擬試験は、個別での入室です。
さらには、狭い試験会場を想定して、セッティングをしてみました。
緊張感みなぎる部屋への入室。
百戦錬磨のプロ達と向き合い、演奏をする。
音を出した瞬間に動き出す鉛筆…
そんなシチュエーションで、緊張しないはずがないですよね。
しかし、今回参加のお二人は、先月も知らない場所・知らない人の前で吹くことを、2回経験していますので、大きな成長が見られました。
自分自身について
- 緊張すると、どうなるのか
- 緊張したら、どうすればいいのか
を知っているかどうかは、実力を発揮できるかどうかの大きな分かれ目になります。
大学や高校受験に向けて、学科の模試を受けるのが当然なように、実技に関しても、模擬試験を受けておくことは、とても重要なことなのです。
その場で実践できるアドバイスをもらう
最初にお話したように、今回の試験官は、クラリネットとトランペットのプロフェッショナル。
より深い講評をいただくことができました。
まず、1回目の演奏のあとは、5分のアドバイス。
試験官のお二人には、「できれば、2回目の演奏にすぐ活かせるものをお願いします」と伝えてありましたので、超実践的なお話が聞けたのではないでしょうか。
10分後には2回目が始まります。
いただいたアドバイスを体現できるように、しっかり心に刻みましょう。
部屋の広さや状況に惑わされない
2回目は、個別で5分ずつの音出しを経て、グループでの入室・試験としました。
セッティングは、少し広い部屋を想定。
長方形の短い辺を使った1回目に対し、縦長に部屋を使い、試験官と部屋は同じながら、受験生から見える風景は全く違う、という状況を作り出しました。
短時間で、様々な入試のシチュエーションを体験できるのが、東京クラリネット教室の実技模試。
実際の試験で、どんな状況に置かれても、とっさに対応する力が身につきます。
どのような空間に通されても、常に広いホールのステージに立っていることを想像しながら吹くと、のびのびとした、良い演奏ができますよ。
演奏順も試験官の並びも、1回目とは逆にして、2巡目スタートです。
試験直前のリードの状態に気を配る
グループでの入室では、自身の演奏順によっては、控え室以来音を出せぬまま、少し待たされることが考えられます。
そんな時、私達クラリネット吹きにとって怖いのは、リードの状態。
待つ間はキャップをして、乾燥を防ぐのはもちろんのこと、もし時間に余裕があるようであれば、自分の演奏前に湿らせることも検討しましょう。
もちろん、演奏している他の受験生の妨げになるような動きをしてはいけません。
また、慌ててつけ直したせいで、リードのセッティングがおかしくなってしまうようなことも、避けなければなりません。
冷静に状況を見て、最善の状態で演奏に臨めるように、これもまたイメージトレーニングをしっかりしておきましょう。
試験の時は、良い演奏をすることと、それ以上に良い演奏をするためにできることにも気を回すことが大切です。
模試で経験したことを入試で発揮しよう
最後に、今日の総評と、今後どのように勉強を進めていくか、また、将来の話などもできる時間を作り、受験生のお二人には、たくさんのことを吸収していただきました。
今回の参加者は、前回と合わせて、計4回の試験の場を経験しました。
これは、入試に向けての大きな財産です。
断言できます。
実際に、先月の第3回模擬試験よりも、今日の方が「人前での演奏」という点では確実に成長していましたし、今回の1回目より2回目は、さらに良くなっていました。
入試では、実技模擬試験での経験と、いただいた講評を活かし、なにより、積み重ねてきた練習の成果を、存分に発揮してきてくれることを祈っています!