なめらかに吹くために替え指を活用しよう
今日は、長く教えている大学生が「半音階を吹いた時に、間に余計な音が入っていると吹奏楽の指揮者の先生から言われたけれど、よくわからないので、聴いてもらいたいです」と言うので、早速吹いてもらいました。
吹き始めてもらうと、「そこは替え指を使えばいいのになぁ…」という箇所がちらほら。
「同じ手の小指が続かないように」だったり、「左手の薬指がなんか大変だから」という時に便利な替え指。
それ以外にも、替え指をちゃんと使えていますか?
正しい運指は、良い演奏をするためには、不可欠です。
吹きにくいなと思ってました…
半音階を吹こうとすると、クラリネットには、右手の人差し指と中指をパタパタッと動かさなければいけない箇所、左手の親指と人差し指を交互に押さえなければいけない音が出てきます。
必要になることもなくはないので、「いかに、押さえるのと離すのを同時にやるか」に練習時間を割いてももちろんいいですが、もっと簡単できれいに吹ける指があります。
そこで大切なのが運指表です。
普段から運指表で替え指を知っておくことが、スムーズな運指に繋がります。
同じ指を使う音をまとめて覚えよう
まずは、下の「ラ♯(シ♭)」と「シ」。
「シ」は、一番左に書いてある指を使います。
すると、「ラ♯(シ♭)」に右手薬指で細いキーを足すと、「シ」になるのです。
これなら、間に音が入ったりすることは、よっぽどでない限りありません。
むしろ、入れる方が難しいくらいです。
同じ音の仕組み(同じ倍音列)の、上の「ファ」と「ファ♯(ソ♭)」も、
同じ指を使います。
また、さらに上の「レ」と「レ♯(ミ♭)」も同じです。(いずれも一番左の指を使いましょう)
「レ♯(ミ♭)」は、こちらの指の方が音程も良く、鳴りやすいという利点もあります。
トリルキーを使った替え指
もう一つ、使った方がいい替え指があります。
真ん中の「ファ」と「ファ♯(ソ♭)」です。
この時の「ファ♯(ソ♭)」は、右に書いてある指を使います。
左手親指だけの「ファ」に、右手人差し指でトリルキーの下2つを足せば、「ファ♯(ソ♭)」です。
これも、簡単できれいに吹ける替え指です。
上行形よりも難しい下行形
吹奏楽などでハーモニーを担当していて、4拍ずつ半音で、スラーをかけて動く…なんて時に、この運指を使うと、とてもなめらかに吹くことができます。
ただ、下から上がっていく分(上行形)には、通常の指(例えばラ♯)のあとに替え指(シ)が来るので簡単ですが、下行形の場合は、まず替え指で吹く必要があります。
これは、慣れていないと、つい元々の指で吹いてしまったりするので、上行形・下行形ともに、まんべんなく練習して、いざという時にぱっと使えるようにしておきましょう。