調性記号(調号)のつけ方
今日は、大人の生徒さんのレッスンでした。
宿題は、♭が一つついている、ヘ長調(F-dur)の曲です。
練習の成果を聞かせてもらったところ、なんだか違和感…
五線真ん中のシには♭をつけて吹いているのですが、その1オクターブ下のシにはつけていないので、不思議な響きになってしまっていました。
そういえば、楽譜が読めない状態で入会された生徒さんなのに、肝心な調号についてご説明するのを忘れていましたね。
調性記号(調号)とは
音部記号(ト音記号やヘ音記号)のすぐ脇についている♯や♭を「調性記号(調号)」と呼びます。
「ハ長調」「ト短調」など、聞いたことがありませんか?
その「〇長調」「〇短調」を決めるのは、♯や♭の数です。
それを曲の最初に明示するのですが(曲の途中で変わることもあります)、その♯や♭が「調の性格を決める記号」ということで、「調性記号(調号)」と呼ばれているんですね。
記譜上の決まりごと
音には当然高い低いがありますが、例えば様々な高低のシの音が曲に出てきたとして、調号を全ての高さにつけると、ト音記号の脇がごちゃごちゃして、見にくくなってしまいますね。
ですので、調性記号(調号)は、五線の中に収まる一音にだけつける、という決まりがあります。
シの♭は、五線真ん中(第三線)につけます。
そこに♭が書かれていれば、「高さに関わらず、『シ』という音全てに♭をつけて下さいね」という意味があります。
「真ん中のシにしか♭ついてないじゃん!」なんて思わないようにしましょう。
臨時記号との区別
ただ、各音のすぐ左に♯や♭が書かれる「臨時記号」というものもあり、それは「ついている1小節間だけ適用される」という決まりなので、混同しないようにして下さい。
演奏上の注意点
先程の生徒さんは、とても素直に楽譜を読んでしまったので、真ん中のシには♭をつけ、下のシにはつけない、という吹き方になってしまいました。
ト音記号の脇にある調性記号(調号)は、高さに関わらず適用されるということを、しっかり覚えておきましょう。
各段の最初にしか調号は書かれていないし、特定の高さの音にのみ♯や♭がついているため、ついついつけ忘れてしまいやすいのですが、調の性格を変えてしまわないように、調号は常に意識して演奏しましょうね。