強弱を意識することで得られるもの
東京クラリネット教室2018年11月27日、第31回目のバンドアンサンブルが開催されました。
お一方、「仕事が繁忙すぎて休みます…」と泣きのメールが入りましたが、他の方々はご参加いただけたので、B♭クラリネット3名とバスクラリネット、ベース・ドラム・キーボード(時々B♭管)の7名でのアンサンブルとなりました。
ひとまず、新曲は先月出揃ったので、今日はさらに楽しく・かっこよい演奏を目指していきましょう!
演奏曲目(順不同)
- American Patrol
- Take Five
- グラジオラス
- ルパン三世のテーマ
- スーパーマリオブラザーズ
- My Favorite Things
明確な目的を持って演奏しよう
こちらのアンサンブルでは、いつも「次はどの曲をやりますか~?」と講師がお声がけして、通したら次の曲に進み、一巡したら休憩、その後同じ曲順で2回目に入る、という形を取っています。
1回目は音出しと、前回やったことを思い出す作業。
2回目は、曲の作りや周囲にも気を配って、アンサンブルとしての完成度を、より高めるための演奏を目指すことが目的です。
今日は、2回目を吹き始める前に、「強弱に気をつけてみましょう」とお話してみました。
強弱に気をつけることは、曲としてのおもしろさを増すだけでなく、実は同じくらい重要な意味があるのです。
音の強弱が大切な理由
その「重要な意味」をご説明する前に、まず皆さんが「強弱をつける意味」と聞いてパッと思い浮かぶであろうことを、確認していきましょう。
曲中で強弱をしっかりつけると、メリハリが生まれます。
また、演奏に強弱をつけることは、ただ単に、オーディオの音量を上げたり下げたりするように音量を変えるわけではなく、「ここに向かいたい」「この部分は、こんな風に吹きたい」という感情も併せ持ちますので、音楽の流れも生まれ、聴いていて引き込まれる演奏になります。
「なぜそこで、その音量が求められるのか」まで考えられたら、さらに良い演奏になりますね。
常に全速力の演奏では最後まで持たない
では、先程書いた「強弱をつける重要な意味」をご説明します。
それは適切なペース配分です。
基本的な音量(無理せずに楽器を鳴らした時の音量)は、団体によって様々だと思いますので、一概には言えないのですが、このバンドアンサンブルに関して言うと、比較的大きな音で鳴らせる方々が集まっていらっしゃると思います。
メロディーがどこか1パートだとすると、今日の編成では残りのクラリネット・バスクラで4パート。
全員同じ音量で吹いたとしても、1対4というわけです。
すると、メロディーパートを担っている人は、聞こえないとまずい、と察知し、かなり頑張ります。
当然、自身が楽にクラリネットを吹ける状態よりも、相当息を入れるわけで、いつもより早く消耗してしまいます。
曲というのは、中盤に向けて、または、後半に向けて盛り上がっていくことが多いので、最初から「全速力!猛ダッシュ!」で吹いてしまうのは、得策ではありません。
そのために、強弱の、特に「弱」を意識することは、とても大切です。
緩急の「緩」と言い換えてもいいかもしれませんね。
もちろん、頑張らねばならない箇所も存在します。
しかし、頑張らなくてもいい部分で頑張ってしまうと、疲労のみが蓄積し、6曲も吹いたらヘロヘロ…ということになってしまうわけです。
曲のメリハリもなく、奏者もお客さんもやたら疲れる演奏よりも、抜きどころと盛り上がるところがしっかりある演奏の方が、みんなにとっていいことは、明白ですね。
いつでも強弱をつけ忘れることのないように
強弱を意識してからの演奏は、演奏の質も、体力の維持の面でも、格段に良くなったと思います。
私も一緒に吹いていて、とても楽でした。
「弱」が意識できると、「強」もより引き立ちます。
効果的な演奏をするためにも、「強弱」をしっかりつけた演奏を目指しましょう。
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