クラリネットにおける右手小指の練習方法
レパートリーを増やすべく、メンデルスゾーンの春の歌に挑戦中の生徒さん。
先週のレッスンで、「どうも小指が引っかかる…」という話になりました。
写真は、右手小指で押さえる4つのキィです。
上段に2つ、下段に2つありますが、どうやらこの下段のキィを深く押さえてしまって、上のキィとの間に指の先が挟まってしまっているようなのです。
どのようにしたらいいかは、前回さらっとお話したのですが、今日もレッスンにいらっしゃるなり「いやぁ、やっぱり小指が…」と気にされていたので、曲はやらず、この問題を解決するために、家でできる小指の練習方法をお伝えすることにしました。
小指が引っかかる原因
まず、小指が引っかかる原因ですが、実は右手親指の位置が大きく関係します。
「小指の問題なのに、親指?」と思われるかもしれませんが、親指のどこをどのように指かけにかけるかで、他の4本の指に影響が出るのです。
クラリネットの持ち方を再確認
親指の付け根寄りだったり、楽器に対して平行になるように持つと、親指以外の指先が押さえるべき位置を越えて、自分から見て左の方にはみ出すと思います。
もちろん、小指もかなりべったりとキィを押さえるような形になります。
下段のキィを押さえれば、当たり前のように指先が上段のキィとの間に納まった状態になるでしょう。
キィは、先の方(写真だと右)に小指を引っかけるようにして押さえると、余分な力を使わずに動かすことができます。
運指練習で正しい持ち方を当たり前にする
クラリネットの持ち方に気をつけたところで、小指を動かす練習をしましょう。
スムーズな運指のためには、良い位置での持ち方をしっかり身につける必要があります。
動かしていると、気づいたら元の持ち方に戻ってしまうことが多いので、元に戻らないよう常に注意してください。
もし鏡があれば、鏡の前で吹くと、客観的に指を見られるので、とても効果的ですよ。
小指を動かす練習
まずは、一番低いファの音を吹きます。
その時に、親指の位置と右手の形、小指の位置と力加減に充分気をつけること。
小指が上段のキィを押さえていると、薬指がずれてしまうこともあるので、そこも気にしなくてはならないポイントです。
小指を意識しながら、まっすぐ息を入れたままソの音に移ります。
元の位置に、小指を戻すことに気を配りながら、ファに戻ります。
これをゆっくり、息の続く範囲で繰り返してみましょう。
決して、速くパラパラと指を動かす練習ではありませんので、急がないように。
安定してできるようになったら、ファ↔ラにします。
この練習では、薬指もまっすぐ上下させることが大事です。
急がずゆっくり身に付けましょう
その後は、レ♯↔ソ、レ♯↔ラ、ミ↔ソ、ミ↔ラ、ファ♯↔ソ、ファ♯↔ラと、4つのキィ全てで練習しましょう。
どのキィの時も同じような指の位置、同じように指が動くことを目指して、コツコツと練習を積み重ねれば、曲を吹く時にも指が不自然な動きをすることなく吹けるようになります。
慣れた手や指の位置を変えるわけですから、ちょっとやってすぐできる、ということはありません。
運指の練習は、ゆっくり丁寧にやることが大切。
地道に繰り返し、違和感がなくなるまで練習しましょう。