クラリネット購入後にやるべきこと
新しいクラリネットをついに購入!したはいいけど、クラリネット購入後は浮かれて吹きまくっていいのかな?
なんて思ったことはありませんか?
木管楽器はとてもデリケートなため、購入後から注意が必要です。
クラリネットを長く使う為にも、吹きたい気持ちをグッと我慢して、しっかり楽器を育ててください。
吹くのは1日30分、掃除はこまめに!
クラリネットは、廉価なものを除いて管体が木でできています。
その木を長い間乾燥させて作っているため、購入直後は特に、気を配る必要があります。
新しい楽器を手にし、ガンガン吹きたい気持ちはとてもよくわかります。
ただ、最初の1ヶ月は我慢しましょう。
乾燥させていた木に、一気に水分を含ませることは大変危険です。
最初の1ヶ月間は、吹いていいのは毎日30分まで。
5~10分ごとに、スワブ(掃除用の布)を通すようにしましょう。
良い楽器にするためのロングトーン
その30分間は、パラパラと吹くよりも、一つ一つ大きな音で、良く鳴る楽器になるよう、大きな音でロングトーンをします。
大きさを追求するあまり、美しくない音で吹いては駄目です。
出せる範囲の音、全てを出しましょう。
その時に気をつけるのは、音によって音量に差が出ないようにすること。
この段階で、「鳴りやすい音」「鳴りにくい音」ができてしまうと、あとから直すことはほぼ無理です。
より良い楽器に仕上げるため、心を込めて吹きましょう。
掃除は徹底的に
30分経ったら、水分の取り残しがないように掃除をします。
管体はもちろん、それぞれのジョイント(楽器のつなぎ目)にも、水が溜まっていることがあるので、そこもきれいに取り去りましょう。
キー磨き用の布がついていたら、片づける前に、キーについた指紋などを拭き取っておくと、きれいな状態が長持ちしますので、ぜひ継続してみて下さい。
楽器ケースに入れてはいけない
掃除に使ったスワブを、ぎゅーぎゅーとベルに押し込んでいる子達を、部活などで見かけることがありますが、ベルはスワブ入れではありません。
4つくらいにたたんで、楽器の上に置いてケースを閉めている人、実はこれも不正解です。
管体内の水をとった布を、楽器ケース内に入れてしまっては、再び水分を楽器に与えることになってしまいます。
クラリネット自体が木でできていることもそうですし、パッド(穴をふさぐために、金属のカップの裏についているもの)は、フェルトと薄い紙でできています。
それらに、水分を吸わせてしまうことのないよう、使ったスワブは楽器ケースカバーのポケットに入れたり、ポーチなどに入れ、楽器ケースの外で保管するようにしましょう。
「急激な○○」を避ける
他に気をつけた方がいいのは、
- 楽器に直接冷暖房が当たる場所で吹かない
- 極端に温度が高かったり低かったりする場所に楽器を置かない(ケースごとでも)
この2点は、1ヶ月経過後もずっと気にして下さい。
木でできている楽器に良くないのは、急激な水分量の変化と、急激な温度の変化です。
「学校に自分の楽器を置いておかなければならないのだけれど、楽器庫があまりに寒くて、何度も楽器が割れる」
「大学の練習室で練習中、部屋に掃除の人が入って、楽器を置いたまま部屋を出たら、エアコンの当たる場所に楽器を移動され、数分後に戻ったら割れていた」
「夏に、涼しい高原で行われた講習会中に、楽器が割れた」
これらは、全て私の友人や生徒の話です。
割れてしまった楽器は、見た目を元に戻すことはできますが、やはり吹き心地まで完全に元通りというのは難しいので、割れを防ぐために気をつけるべきことを、常に頭の片隅に置いておきましょう。
大切な楽器と長く付き合うために
どんなに丁寧に扱っても、残念ながら「割れ癖」のある楽器はあるそうですが、用心に用心を重ねて、悪いことは1つもありません。
気にできることは気にして、気に入ったクラリネットを、良い状態で長く吹き続けられるようにしましょうね。