新たにクラリネットを購入する際に気をつけること
来月には高校生になる、今日の生徒。
今までは、中学校の備品のクラリネットを使っていましたが、高校生になるにあたり、楽器を購入するよう、進学先の吹奏楽部の顧問の先生から言われているそう。
先月までは「まだ買わない方がいいです」と、親御さんにお話してあり、やっとそろそろ買っても平気な季節になってきました。
楽器を買わない方がいい季節がある?
金管楽器とは違い、管体が木でできている木管楽器(クラリネット・オーボエ・ファゴットなど)は、購入する時期を選びます。
それらの楽器は、十数年~数十年乾燥させた木で作ってあります。
音を出すために吹き入れられた息には、水分が含まれており、水となって管体内部に付着します。
ずっと乾かしていたものに水分を与えることは、ごく慎重になるべきで、特に冬場の乾燥している時期は、管体の「割れ」のリスクが上がります。
ですので、私は11月から翌年2月くらい(いわゆる冬期)の間は、楽器の購入をお勧めしていません。
「どうしても今でないと!」という理由がある時以外は、外した方がいいでしょう。
何を買えばいいのかな
今、日本で使われているクラリネットの主流メーカーは、「ヤマハ(日本)」と「ビュッフェ・クランポン(フランス)」です。
購入する際は、この2つのメーカーで検討するといいと思います。
「ヤマハじゃないと駄目」「やっぱりクランポンでないと!」という、はっきりした意見を持っている方もいると思いますが、相性もありますし、一概には言えません。
実際、同じくらいのランク(金額)の楽器であれば、あとは好みの問題です。
もし可能であれば、気になる楽器を吹き比べてみられるといいですね。
欲しい楽器が決まったら
好みと予算で、買う楽器を決めたら、試奏・選定に行きます。
ヤマハの「YCL-255(樹脂製なのでお勧めしません)」「YCL-450」「YCL-650」だと、そこまで個体差がないので、選定なしで購入しても問題ないと思いますが、それ以外の機種を購入する際は、できるだけ専門的にクラリネットを学んだ人と一緒に、楽器屋さんに足を運びましょう。
その際は、楽器を吹く場所の確保と、お店側にあらかじめ楽器を準備してもらう関係で、必ず予約して下さい。
お店に選びに行きましょう
選定には、マウスピース・リガチャー・吹き慣れた良いリード・スワブを持って行きます。(スワブは、自分のマウスピースやリードを拭くためです。楽器にスワブを通していいかは、お店の人に確認してからにしましょう)
選ぶ時は、
- どの音域もまんべんなく鳴るか
- 開放の「ソ」周辺など、本来音程が高くなりやすい音が極端に高かったり低かったりしないか(やや上ずっているくらいが望ましい)
- 自分の好みの音色が鳴りそうか
などを気にしながら、絞っていくといいでしょう。
どの楽器を吹く時も、同じことを吹くようにすると、差がわかりやすいですよ。
心を込めて選ぼう
クラリネットの購入は、高価な買い物です。
買ったあとに「やっぱり気に入らないから、別のにしようっと」というわけにはいきません。
自分に合った良いものを手に入れられるように、1つずつ丁寧に吹き比べましょう。
自分で選んだものであれば、思い入れもひとしお。
より練習に身が入るはずですよ。