付点練習ができない三連符や六連符のリズム練習方法
いよいよ、吹奏楽団の本番前最後のレッスンとなった生徒さん。
団の練習でも、仕上げに入ってきているそうですが、まだまだうまく吹けずに、悩んでいる箇所がいくつかあるとのこと。
諦めたくなる連符が出てきた…
一番苦労されているそうなのが、本来はオーケストラ用の曲で、ヴァイオリンが担当している六連符。
オーケストラから吹奏楽の編曲もので、よくクラリネットが出会うシチュエーションではありますが、ヴァイオリンでは平気でも、クラリネットでは、なかなかの難易度の音域で演奏せねばならず(レジスターキーを使う音とそうでない音が混ざった連符)、しかもテンポが速い…と、軽く諦めていらっしゃいました。
残念ながら、簡単に吹く替え指などもなく、かろうじて、右手を押さえたまま吹いてもいい音がいくつかある、といった音の並び。
ひたすらゆっくり練習をして、指に動きを覚え込ませるようにお伝えしました。
六連符の練習の仕方
ここで出てくるのは、3つの音のかたまりが2つの六連符なので、「付点八分音符と十六分音符」「十六分音符と付点八分音符」の練習ができません。
近い練習として、「1つ目の音を長く吹く(タータタ)」「2つ目の音を長く吹く(タタータ)」「3つ目の音を長く吹く(タタター)」というパターンがありますので、そちらでやるようにしましょう。
例えば、「シドシ・ラシラ」を「シードシ・ラーシラ」「シドーシ・ラシーラ」「シドシー・ラシラー」という形で行う練習です。
この練習をする時に、自分のカウントで吹いていては、結局、転んだりしているのを見過ごすことになってしまうので、あまり意味がありません。
ゆっくりなテンポから、必ずメトロノームをかけ、3つの音のかたまりのあたまを合わせるようにして下さい。
違うリズムで練習する意味を正しく知ろう
こちらの練習も、先程例として挙げた付点の練習も、「弱い指はつい転んじゃう…」というのを克服し、自分の意思で指を動かすための練習です。
テンポ、リズム共にしっかりと意識し、ただ繰り返すだけにならないように注意しましょう。
惰性でやっていては、全くと言っていいほど、身につきません。
そして、基本的には全てのパターンを同じ回数やるようにし、どうしてもできないものは多めにやって、確実にできるようにしましょう。
また、しっかりパターン練習をしたあとは、楽譜通り吹いて、転ばずに吹けているかの確認をしてから、テンポを上げるようにして下さい。
つまり、今回のリズム練習であれば
- 1つ目の音を長く吹く(タータタ)
- 2つ目の音を長く吹く(タタータ)
- 3つ目の音を長く吹く(タタター)
- 楽譜通りのリズムで吹く
- 吹けていればテンポを上げる(転んだりしたら1からやり直す)
通常の付点の練習であれば
- 八分音符と付点十六分音符で吹く
- 付点十六分音符と八分音符で吹く
- 楽譜通りのリズムで吹く
- 吹けていればテンポを上げる(転んだりしたら1からやり直す)
といった感じです。
ゆっくりからコツコツ練習
均等に吹けているかの確認作業は、テンポがゆっくりなうちから取り入れた方が、効率的です。
ただひたすら楽譜通り吹くのではなく、その時の状態を都度確認して、適切な練習を取り入れ、自由自在に指を動かせるようにしていきましょう。
練習を積み重ねた分、合奏できちんと結果が出るはずですよ。