クラリネットの吹き心地と音色はセッティング次第
先週木曜日は、レッスン回数の都合でお休みだったので、2週間ぶりのレッスンです。
まずロングトーンをしてもらいましたが、音は鳴っているものの、なんだか苦しそうに吹かれています。
リードを見分けましょう
クラリネットのリードは大きく3つに分けられます。
- 音の鳴りが良く吹きやすいもの
- 鳴りにくくて息が入らず苦しいもの
- ちゃんと鳴るけど、やたら息を取られて苦しいもの
3つ目のタイプのリードに当たってしまうと、音の鳴り自体は良いものですから、苦しさをつい見過ごそうとしてしまいます。
「こんなに鳴ってるんだから、苦しいのは自分の息の吸い方・入れ方の問題だ」と思い込もうとするのです。
しかし、いつもと同じように吹いているのに、なんだか苦しい…という時は、リードのせいだと思って間違いないでしょう。
そのようなリードを無理して吹くと、息の入れ方だけでなく、アンブシュア(口の形)まで崩れてしまう可能性があるので、「せっかく鳴るリードなのに…」なんて思わずに、他のリードに替えて下さい。
リガチャーでも変わる吹き心地
リードの話の流れで、リガチャーとマウスピースを買い換える話にもなりました。
お金もかかることなので、今すぐにというのはなかなか難しいですが、ひとまず「リガチャーによって吹き心地が違う」ということを体験していただこうと、私のリガチャーで吹いてもらうことにしました。
アンサンブルの曲では、ピーピー鳴ってしまうことが多いのですが、今日はとてもきれいに吹けています。
音程も全体的に良く、安心して聴いていられる感じです。
これが、リガチャーが違うからなのか、いつもと違うリードだったからなのか、はっきりとはわかりませんが、ご本人は「吹きやすい!」とのこと。
ただ、息を入れてから、音が鳴るまでにほんの少し間を感じるそうで(聴いてる側からだと、特に遅れたりはしていませんが)、私のリガチャーはちょっと合わないご様子でした。
これは奏者によっても感覚が違います、時間に余裕のある時に、自分にあったリガチャーを買いに行きましょう。
リガチャーを締める強さ
リガチャーを付け替える時に、生徒さんのリードをふと見たら、なんとリガチャーの跡がくっきり!(写真真ん中のリード)
これは、明らかに締めすぎです。
私はどこで教える場合にも、リガチャーを締める強さをこう伝えています。
「ネジを締めていて、なんか抵抗が変わったなーというところで止める。ゆるく感じてもそれ以上は締めないように」
この生徒さんが20年以上前に教わった先生は「1回ぎゅーっと締めてから、ちょっとゆるめる」とおっしゃってたそうで、その癖が抜けないとか。
リードは、私達の声帯(喉にある筋肉。これが震えて声が出る)に当たります。
喉をぎゅーっと押さえられたらうまく声が出ないですよね。
リガチャーを思い切り締めるというのは、そういうことです。
少しの差で、吹き心地や出てくる音は変わります。
正しいセッティング、良いセッティングで、クラリネットの吹きやすさや音の良さ、良い音程などを追求してみてくださいね。