苦手な箇所は大きく・ゆっくり・均一に
今日は、春の歌を練習されている生徒さんのレッスン日でした。
コツコツと、時間があれば練習をしてきて下さる方なので、今日も楽しみです。
譜読みの仕方を知ろう
譜読みには、まず全体にばーっと目を通す方法(吹奏楽などはこちらの方がいいですよ)と、フレーズごとに十数小節ずつ読んでいって、できたら先に進む、というやり方がありますが、この方は後者。
見開きの楽譜半分くらいまでを、ここ数週やっていましたが、この1週間で先に少し進まれたとのことでした。
今後は、一旦全体像を掴んでから、自分の得意そうな部分と、そうでない部分を仕分けして、練習の進め方を考えたり、「同じことをやっている箇所はないかな?」と見比べたりすると、効率的な練習ができます。
ぜひ試してみて下さいね。
曲演奏の落とし穴
音出し後に、早速曲を聴かせていただきましたが、無意識のくせが出てしまっていました。
十六分音符が並んでいる箇所で、
- 苦手な部分(指がすっと動かない部分)で、息を吸ってごまかす
- 吹けるところは速くなり、吹けないところはつっかえつっかえになる
という状態になっていて、気づいていないご様子。
これは、クラリネットに限らず、よく陥りがちな演奏の仕方です。
吹けない箇所の練習の仕方
吹けない部分の練習は「大きく、ゆっくり、均一に」が絶対。
パラパラと練習しても、吹けるようにはなりません。
まずは、メトロノームをかけず、リズムもつけず、音と指の確認をしていきましょう。
1つ1つの音を「ミーーレーードーーレーーミーー」というように、しっかりまっすぐ、同じ長さで、頭の中で歌いながら吹きます。
吹けない箇所というのは、指の問題のこともありますが、頭の中で歌えてない(楽譜が読めていない)ことがほとんどなので、ゆっくりなうちから、着実に頭の中で歌うようにしましょう。
楽器を出す時間がない時は、楽譜だけ用意して歌ってみるだけでも効果的です。
段階を追ってできることを増やしていく
楽譜上の音と指が一致してきたら、次にリズムをつけます。
クラリネットを吹きながらリズムも…という練習をいきなりするのが不安であれば、手を叩いてカウントしながら、それに合わせてリズムを歌ってみましょう。
この時も、先程読めるようになった、ドレミで楽譜を読みながら進められるとより良いですが、無理は禁物。
「タータタタター」などでスタートしても構いません。
特に苦手な箇所が、確実に歌える速さを設定して、なるべく均等に手を叩くようにして下さい。
わからないリズムがあったら、抜き出して、分解して考えましょう。
リズムを理解したら、いよいよ楽器を吹きます。
その時は、手でカウントすることはできないので、さっきまで自分が叩いていた速さに近いテンポに、メトロノームをセットしましょう。
しっかりメトロノームに合わせて楽譜通り吹けたら、テンポを上げる、ということを繰り返していけば、いつのまにかスラスラと吹けるようになっているはずです。
「また均等に吹けてないかも…」という速さに遭遇したら、必ず1つ前のテンポに戻して確認を。
こつこつやることは大変ですが、ただなんとなく、それなりのテンポで練習していた場合とは、後々の結果が変わってきます。
曲を美しく仕上げるためにも、早い段階から丁寧な練習を心がけましょう。