楽譜への書き込みは見やすく最低限にしよう
アンサンブルで♯系の曲ばかりで、久しぶりの♭系の楽譜に、悪戦苦闘中の生徒さんのレッスンでした。
あまりの苦手意識に、写真の通りほぼもれなく♭の書き込みをされてきたのですが、残念ながらこれはあまりいいことではありません。
書き込みは必要最低限で
この、調号をとにかく書き込むやり方があまり良くない理由は、実はご本人も気づいていました。
その理由とは
- 書き忘れがあった場合に、気づかなかったり、迷ってしまう
- 視覚的に、調号が多くて気おくれしてしまう
という点です。
書き込みに頼って吹いていると、書き込みがない部分に自信が持てなくなってしまいますし、演奏をより良くするためのガイドであるはずの書き込みが、力を持ちすぎてしまうことになります。
もちろん私も、♯や♭、ナチュラルの書き込みをすることがあります。
ただそれは、「一度間違えた音」のみです。
書き込みは「演奏を良くするため」
一度間違えたら、次も同じことをしないために、書き込みをします。
「全て間違えたら書き込みだらけになるのでは?」という声が聞こえてきそうですが、そこまで間違えるということは、まず楽譜がちゃんと読めていない、ということですので、もう一度譜読みを丁寧にやり直しましょう。
また、調号や臨時記号に限らず、「速くならない」「リズム気をつける!」「メロディ美しく」「合図出す」などなど、吹奏楽で指揮者に言われたこと、アンサンブルで相談したこと、ソロ曲で自分が気づいたことを、文字で書き込む場合もあるかと思います。
これも、あくまで演奏を良くするための手段。
「書くこと」が目的になって、「書いたこと」で満足してしまわないよう、充分気をつけましょう。
楽譜はメモ帳ではない
そういう私も、小学生の頃は色ペンをフル稼働させて、それはそれはカラフルな楽譜にしたこともありますし、先生に言われたことを、小さな文字でぎっしり書き込み、楽譜を真っ黒にしたこともあります。
自信を持って吹くために、書き込みはすべきだと思いますが、同時に、他の人が見てわからないような楽譜にしてしまうことは、少し方向性を誤っているのではないかなと思います。
自分が迷ったり、不安になったりしないためにも、びしっと書くべきことを書き、余分な書き込みは極力控えた、読みやすい楽譜を作り上げていきましょう。