苦手な部分を吹く時のカギは指と意識のコントロール
音階練習を頑張っている生徒さん。
使っている本はロルフ・アイヒラー著『Scales for Clarinet』。
今も、1番(音階)と2番(アルペジオ)を繰り返し練習しているそうで、だいぶ安定して吹けるようになってきました。
嫌なことは早く終わらせたいのが人間の心理
スケールでも曲でも、引っかかる場所というのは大体同じで、だからこそ基礎練習が大切なわけです。
特に、人の心理として、嫌な部分は早く通過したくなります。
音階の高い音だったり。
アルペジオの、音が一番飛んでいる部分(跳躍)だったり。
跳躍に関しては、「音が飛んでいて心配だから、遅れないように早く準備して、必要以上に早く移ってしまう」という原因もあります。
ここをしっかり踏みとどまれるかで、基礎練習にしろ、曲にしろ、聞こえ方がガラッと変わります。
指と気持ちをコントロール
では、どうするのがいいかと言うと、指を自分の意思で動かすことと、気持ちをしっかりコントロールすることが、一番の改善策です。
指の練習は、付点で練習してもいいですし(やるなら必ず、ドーミソードとドミーソドーの両パターン)、跳躍に関しては、指の強い弱いと言うよりは、心理的な面が大きな影響を与えているので、ゆっくりからひたすら均等に吹く練習をすることも、効果があります。
この際に、頭の中で歌うことも、併せて行いましょう。
そして、くれぐれも「音が飛ぶのか。遅れたら嫌だなー」なんて、思ってはいけません。
演奏にてきめんに出てしまいます。
音が飛んでいる時こそ丁寧に、遅れることなど気にせずに吹きましょう。
よほどでない限りは、音が飛んでいるせいで遅れることはないはずです。
気にしないことも気にしすぎも駄目
苦手な部分を放っておいては駄目ですが、だからと言って、変に意識しすぎるのも良くありません。
自信を持って吹けるようになるまで、繰り返し練習をして、いざ演奏する時は、平常心で吹くことを目指して下さいね。