クラリネットのリードを効率よく選ぶ方法
クラリネットをより良く演奏するには、リード選びが不可欠です。
自分に合ったリードがなければ、本来のパフォーマンスを発揮することはできません。
しかし、新しく開けたリードは、何度も吹いて絞り込んでいかないといけないですし、試す枚数も多いので、「まとまった時間を取るのが大変で、ついつい先送り…」という方が多いのではないでしょうか。
東京クラリネット教室に通われている生徒さん達も、なかなかお時間が取れず、「リードをきちんと選ぶ暇がないまま、またレッスンに来ました」と、お困りの方がたくさんいらっしゃいます。
そこで今回は、効率よくリード選びを進める方法について、お話していきます。
リード選びを基礎練習に組み込む
クラリネットのリード選びには、下準備と絞り込み、さらに育てる作業が必要になります。
いずれも大切な作業なので、適当なことはできませんが、時短を目指すのであれば、できることは基礎練習に組み込んでしまいましょう。
私の場合は、音出し(ロングトーン)の時に、
- 開けたばかりのリード
- 慣らし中のリード
を使うことがあります。
開けたばかりのリードは特に、一度に長く吹くと水分を含みすぎてしまい、リードがへばってしまいますので、1オクターブ弱(半音で9~10音くらい)吹いた時点で次のリードに交換する、というサイクルで進めています。
私は、最低音の「ミ」からダブルhigh B♭まで、四分音符60で8拍吹いて4拍休む、というパターンでロングトーンをしていますので、全部で45音吹いており、45音÷9音で、ロングトーンの中だけでも5枚のリードが試せる、ということになります。
辛いリードを無理して吹かない
もちろん、吹いた瞬間「あ、これは駄目だ」という、カスカスな音しか鳴らないリードもありますので、その時は無理して何音も吹く必要はありません。
自分にとって厚く感じるリード、硬いリードは、どうしても楽器をきちんと鳴らそうとしてしまって、余分な力をかけて吹いてしまいます。
そのような吹き方が身についてしまうと、正しく戻すのがとても大変なので、極力避けるようにしましょう。
吹きやすさの順位を変動させる余裕を持つ
選んでいる最中のリードは、その時に吹きやすい順番に、クラリネット用のリードケースに入れておくといいですね。
そこで感じた吹きやすさは絶対ではありませんので、別の機会に吹いた時に「こちらよりも、さっきの方が吹きやすいかも」などと感じた時は、どんどん順番を入れ替えていきましょう。
「前に1番だと思ったから、これが1番なの!」と思い込むことは、演奏にあまりいい影響を与えません。
柔軟な考え方で、リードの慣らしと絞り込みをすることを心がけて下さい。
合奏の時は吹き慣れたリードで
今回の話は、あくまで個人練習の時の話であり、部活などでみんなで基礎練習をする時には、リードを付け替える時間もありませんし、周囲の集中力を削ぐことになりますので向きません。
合奏の時には、吹き慣れたリードをつけて演奏しましょう。
(ただし、慣らしが終わり、ある程度それぞれのリードの様子がわかってきたら、曲の中で実際に試してみると、より実践的に、そのリードが使えるものなのか、曲の中ではどんな音色なのかなどがわかりますので、合奏で使用してもいいと思います)
クラリネットのリード選びは、気長に行う必要があります。
時間を上手に使って、良いリードを見つけてみて下さいね。