クラリネットストレートケースのメリット・デメリット
「クラリネットの出し入れ、面倒だなぁ…」なんて思ったことはないですか。
正直なところ、私はあります。
実はクラリネット、吹奏楽やオーケストラなどで吹かれている楽器の中で、一番パーツをばらした状態でケースに収納する楽器です。
さらに、リードの付け外しもあるし、なかなか手間ですよね。
楽器の構造上、どうしようもないことだよな、と受け入れていましたが、先日レッスンにいらした生徒さんが、とてもユニークなケースを持っていらっしゃいました。
「あればいいなー」と想像していたものが、商品化されていたのです。
ストレートタイプのクラリネットケース
まるで、コントラバスの弓ケースのような、このケース。
これが、クラリネットケースなんです。
ご想像通り
楽器を全て繋げた状態で、ケースに入れることができます。
なんて画期的!
ありそうでなかったケースですね。
ストレートケースのメリット
では具体的に、このケースの良い点を見ていきましょう。
素早く準備ができる
このケースの一番のメリットは、組み立てられた状態で持ち運べるので、さっと準備ができる、という点でしょう。
今回、こちらのケースを使われている生徒さんは、「リガチャーとキャップをはめた状態では、長さ的に入らなさそう」という理由で、マウスピースは外した状態でしまわれていましたが、
このような、マウスピースの先だけカバーするタイプのキャップであれば、充分に入りそうです。
そうなると、しまう時用のリードを外し、演奏用のリードと付け替えるだけで、もう準備完了。
誰より早く、クラリネットを準備できますね。
かなり軽量
また、ケース本体もとても軽量です。
形が違うので、あくまで体感でしかありませんが、クランポンの軽量ケースにも匹敵する軽さ。
そして、細長いので
場所を取らずに、持ち運ぶことができます。
(ただ、電車などで座ると、少し持ちにくいかもしれません)
クラリネットのケースは地味に重いものが多いので、軽いというのはとてもありがたいですね。
ストレートケースのデメリット
一方、もちろんマイナス点もあります。
そちらもきちんと知っておきましょう。
しまう前にはばらす必要がある
楽器を吹いたあとには、ジョイント部分の水分も取る必要があります。
ということは「ばらす→掃除をしてから、再度組み立てる→ケースにしまう」という手順が発生します。
結局は、「楽器を出す時に組み立てるか」「しまう時点で組み立てておくか」という違いでしかない、ということになりますね。
強度にやや不安
クラリネットの形に合わせて、やや丸く作ってあるケースですので、普通の四角いケースに比べると、キーの側(背負った時に外に来る部分)の強度が、弱いように見えます。
満員電車などで、「ギューッ」と力がかかると、ケース自体が潰れて、キーに影響があることも考えられますので、そのような状況は避けた方が良さそうです。
キーに干渉している可能性がある
クラリネットのケースは、キーの形に合わせて、ピタッとはまるように作られているものが多いのですが、このケースに関しては、大まかな作りになっているので、キーに干渉している(キーに部分的に当たっている)可能性があります。
また、走ったりした時に、ゴトゴトと少し遊んでしまいそうな感じもしますので、そのような運び方もやめておきましょう。
保管用ではなく持ち運び用
先述の通り、とても画期的な商品だと思いますが、ずっとこのケースに入れておく、と言うよりは、状況に合わせて使い分けるべきケースだと思います。
- ウォーミングアップの時間を、少しでも多く取りたい(片づけの時間は多めにある)
- なるべくスマートに持ち運びたい
- 混雑したところには行かない
というような時には、かなり良さそうですので、興味のある方はぜひ使ってみて下さいね。