クラリネットリードの正しいつけ方
クラリネットを吹くにあたり、まず大切なことは「正しく楽器を組み立てること」「正しくリードをつけること」です。
以前、クラリネットの正しい組み立て方については、こちらのブログに書きました。
今回は、わかっていそうで、意外とわかっていない『クラリネットリードの正しいつけ方』について、確認していきましょう。
リードをつける時に気にするのは4点
リードをマウスピースに固定するには、リガチャーという器具を使いますので、リードを正しくつけるにはリードとリガチャーの2点で、それぞれ気をつけることがあります。
- リードの高さ
- リードが曲がっていないか
- リガチャーの高さ
- リガチャーが曲がっていないか
要は、それぞれの「高さ」と「曲がっていないか」が、カギとなります。
リガチャーは、金属だったり革だったり、いろいろな素材・いろいろな形のものがありますが、気をつけるべき点は同じです。
前後がない、すぽっとかぶせる形のものを使っていたりする場合は、最後の項目「リガチャーが曲がっていないか」は、当てはまりませんので、気にしなくて大丈夫です。
では、順を追って見ていきましょう。
リードの高さ
この『リードの高さ』については、知っている方が多いのではないでしょうか。
部活で聞いても、これに関しては答えられる人が多いです。
そう。
「マウスピースが髪の毛1本分見える高さ」です。
「髪の毛って言ったって、太さは様々じゃん」と言いたい気持ちは、ここでは封印して下さいね。
言い換えるならば「ほんの一筋だけ、マウスピースが見える高さ」でしょうか。
このくらいの高さです。
都度確認する必要はありませんが、マウスピース側から見た時に、同じ幅でリードが少しだけ見える位置が、理想的な高さです。
高さを合わせる時には、必ず目の高さでリードをつけるようにしましょう。
下から見上げるようにしたり、上から見下ろしながらつけると、かなり大きくずれてしまいます。
リードが曲がっていないか
先程高さを合わせた時に、もちろんリードがまっすぐつくように気をつけているかと思いますが、リードが曲がっていないかの確認は、実は先端部分ではわかりにくくなっています。
では、どこで確認するのかと言うと、
この部分で見ます。
マウスピースの、リードが当たる部分は平らになっています。
メーカーによって多少幅は異なりますが、リードよりも幅が狭いものがほとんどです。
この平らな部分から、リードが左右均等にはみ出していれば、リードはまっすぐついている、ということになります。
リードの高さを合わせる時に、きちんとまっすぐなように見えても、実はこの部分を見るとどちらかに大きくはみ出している、といったこともありますので、必ずチェックするようにしましょう。
リガチャーの高さ
では次に、リガチャーの高さについてです。
これもまた、メーカーによって違うのですが、大体のマウスピースには、このように2本線が入っています。
この2本線を高さの目安にします。
今回の説明で使用しているリガチャーの場合は、2本線の真ん中あたりにリガチャーの下の部分が来るようにしましょう。
このような感じですね。
下の線の少し上、くらいの感覚で大丈夫です。
ただ、このリガチャーの高さに関しては、リガチャーの種類によって変わってきます。
極端に上につけたり、下につけたりすることは、基本的にはありませんが、2本線の上の線にリガチャーの下の部分を合わせるもの、下の線に合わせるものなど様々ありますので、購入の際に店員さんに相談したり、部活に専門のコーチがいらっしゃる場合などは、ぜひ教えていただきましょう。
ちょっとした高さの違いでも、リードの響き方には違いが生まれます。
リガチャーが曲がっていないか
最後に、リガチャーが曲がっていないかを確認するポイントです。
順締め(自分の側にネジがついているもの)の場合は、
この赤丸内のリガチャーのすきまが、リードの中心部に来ているかをチェックします。
ほんの少しでもずれてしまうと、リガチャーの圧が均等にかからなくなってしまいますので、くれぐれも気をつけましょう。
また、逆締め(マウスピースの向こう側にネジがついているもの)のリガチャーは、リードに当たる部分が、リードに対して左右均等になるようにつけることが大切です。
リガチャーの順締め・逆締めの見分け方
余談になりますが、部活に教えに行った時など、たまにリガチャーの順締め・逆締めを、逆につけている人を見かけることがあります。
「どっちなのかわからないよー」という時は、『リガチャーは、ネジを右手で締めるようにできている』ということを思い出して下さい。
ですので、左側にネジが来てしまっている時は、逆にはめてしまっている、ということです。
左利きの方には、ちょっと不便かもしれませんが、少しずつ慣れていって下さいね。
0.0何ミリの世界が吹きやすさを変える!
些細なことに思えるかもしれませんが、リードはほんの少し高さが違ったり、ほんの少し曲がっているだけでも、本来のパフォーマンスを発揮することができません。
リードを正しくつけて、リード・リガチャー・マウスピース・楽器、全ての持てる力を最大限引き出しましょう。