エチュードの効果を上げるための心構え
昨年、体験レッスンを受けた子が、今月から入会してくれることになりました。
4月から受験生です。
12月まで別の先生についていたそうですが、部活や勉強が忙しく、レッスンは久しぶりとのこと。
今日は、まず音階を聴かせてもらったあと、入試に使われる可能性の高いエチュードをやりました。
ところで、たまに聞くこの「エチュード」って、なんなのでしょう?
エチュードとは
エチュードは、日本語では「練習曲」と訳されています。
よく言われる、いわゆる「曲」と大きく違うのは、「練習曲」の名の通り「何かの練習に特化している点」です。
スタッカートのみで書かれている曲、なめらかに美しく吹く曲、三連符の曲…などなど、種類は多岐にわたります。
基礎練習としてやっておけば充分に思えるそれらのことを、なぜ、わざわざ「(練習)曲」として勉強する必要があるのでしょうか。
エチュードにはどんな目的があるの?
ロングトーンをやって、音階練習をして、では次はタンギングとアーティキュレーションの練習をしようかな…なんて状況の時、どのような音を使って練習をしますか?
ロングトーンで使っていた半音階。
音階練習でやったいろいろな調。
少しパターンを変えて、分散和音や三度の練習(ドミレファミソ…)といったところでしょうか。
もちろん、これもとても大事な練習です。
ただ、この練習だと、いつも画一的なパターンになってしまい、「基礎練習では上手に吹けるけど、曲で出てくると対応できない」ということが起こり得ます。
そこで、より実践(実際の曲)に近い形で、タンギングやアーティキュレーション、拍子やリズムを練習できるのが「エチュード」なのです。
「なんとなく吹くだけ」では効果半減!
普段の基礎練習もそうですが、エチュードを練習する時も、ただ漫然と吹くのではなく、「その曲で何を練習できるのか」「曲としてのクオリティも高めるにはどうすべきか」を、しっかり考えながら吹く必要があります。
その意識を持つことで、何も考えずに吹くよりも、何倍も意味がある練習へと変化するのです。
エチュードを「ただの練習」にしない
エチュードはとても上手に吹けるけれど、曲で例えばスタッカートが続く部分が出てきた時に、それはどうもうまくいかない…ということでは、エチュードで身につけたものが生かせていないことになります。
「エチュードはエチュード」「曲は曲」になってしまうと、せっかく一生懸命エチュードを練習した時間がもったいないので、エチュードで学んだことをしっかりと曲に生かし、効率良く曲の練習を進められるようにしていきましょう。