スラーをなめらかにかけるために大切なこと
4月から、音大の受験生になる子のレッスンでした。
今日は、スラーの吹き方を、スケールとエチュードの両方で、しっかりやりました。
スタッカートやテヌート、いろいろなアーティキュレーションの中でも、簡単に思えるスラー。
実は、正しく吹くのは、意外と難しいのです。
タンギングしなければOK?
基礎練習で、曲で。
スラーの指示が出てきた時、どのように吹いていますか?
「もちろん、タンギングはしないで、つなげて吹いているよ」というのであれば、半分正解で、半分不正解です。
ただタンギングをしていないだけだとしたら、それはスラーとは言わないからです。
日本語では「スラーの意味は『なめらかに』」と教わります。
タンギングをしなければ、なめらかに吹けるか、と言えば、そうではないですね。
ですので、半分正解で、半分不正解なのです。
音と音のつながりを意識する
では、どうしたらいいのかと言うと、技術的なものも大切ですが、意識が大きく関わってきます。
音と音の密接なつながりを意識しながら吹くかどうかで、聴こえてくる音は、全く違うものになります。
タンギングをせずに、ただパラパラと吹いても、「タンギングをしていない」だけです。
次の音へどのように移るか。
また、音と音のそれぞれの形、そして音同士のつながり方をしっかり意識しましょう。
自分なりのイメージを持とう
とは言っても、音に実際の形があるわけではありません。
しかし、イメージを持って吹くことで、出る音は確実に変わります。
私の場合は、丸い音が、ほんのちょっとずつつながっている状態(とあるドーナツのような)を、「タンギングをせずに、ただパラパラと吹いている」時の音の形として、頭の中でイメージしています。
一方、スラーでは、四角い音と音の辺が、ぴったりとくっついている状態をイメージします。
そうすると、全体としても、音は変わっていてもロングトーンの時のような、太くてまっすぐな音の形に仕上がります。
「丸い音」「四角い音」と表現すると、四角い音の方が硬くてきつい音のように感じますが、音色の話ではなく、あくまで形のイメージですので、誤解しないで下さいね。
常に考えながら吹こう
そのように、頭の中でイメージしながら吹くことは、基礎練習・曲ともに、とても大事です。
自分なりの表現で構いませんので、必ず「考えながら吹く」ことを実践してみましょう。
出てくる音が変わりますよ。