スタッカートであごが動かないようにするための練習
悩み多き大学生。
いつも自分で課題を見つけてくるのは、素晴らしいことだなと思います。
ただ、せっかくいろいろ気づける感覚を持っているのに、「自分にはここまでしかできない」と線を引き、さらに上を目指そうとしないのは、とてももったいないところ。
正しいやり方で、練習を積めば、必ず前に進めます。
アーティキュレーションごとに口が変わっていませんか
今日のお題の一つは、スタッカート。
「レジスターキーを使った音域に入ると、口(あご)が動いてしまう…」というのが、今の悩みらしいのですが、特に音域のせいという感じでもなく、「動きの大きさに差はあれど、スタッカートでは口が動いている」といった状況でした。
これは、簡単に言うと「口(アンブシュア)が固定できていない」ということです。
下あごの位置や力加減が定まっていないため、舌を大きめに動かしてしまうと、一緒に動いてしまうのです。
では、何に気をつけて練習すべきなのでしょうか。
まずくわえ方を直そう
やはり一番最初に修正した方がいいのは、「口(アンブシュア)の固定」です。
マウスピースをくわえる時に、噛むことは決してしてはいけませんが、かと言って、緩くていいわけではありません。
しっかりと上の歯と下の歯で挟み込み、マウスピースが動かないようにしましょう。
特に下の歯は、唇越しにリードに圧力をかけなければならないので、きっちりと当てる必要があります。
リードに歯を押し当てるイメージを持つといいですね。
舌の動きに気を配る
次に、音が切れるか切れないかくらいのタンギングで、舌の動きを最小限にする練習をしましょう。
うまくできるようになったら、少しだけ音を短め(音と音の間を長め)にしてみて下さい。
気をつけることは「先程と同じ舌の動きをする」こと。
音が短くなると、どうしても舌を大きく動かしてしまいがちです。
あくまで「最小限の動き」を意識して、音の長さだけを変えましょう。
これも上手に吹けたら、さらに音を短く、スタッカートに近づけていきます。
気にする点は同じ。
舌が長い時間リードに触れていれば、音は短くなります。
絶対に、舌の勢いで音の長さをどうにかしようとしないように、気をつけてみて下さい。
感覚と目で見た結果を合致させていこう
この2点がきちんと身につけば、スタッカートで吹いても、あごが動くようなことはなくなるはずです。
力加減や、舌の動かし方を目で見ることはできませんが、感覚を研ぎ澄ませて、自分がどのように吹いているかを、常に気にしてみましょう。
スタッカートで吹いた時にあごが動いていないかは、鏡で見て、「こうやって吹く(感覚)と、動いてしまうんだな(視認)」「これ(感覚)だときちんと固定できているな(視認)」というのを、必ずチェックするようにして下さい。
感覚のみでやるよりも、身につくのが早くなりますよ。