拍子を正しく知ってリズムを掴もう
読譜は得意ですか?
東京クラリネット教室に通われている生徒さんも「新しい曲は、慣れるまでが大変」とおっしゃっている方が、たくさんいらっしゃいます。
新しい楽譜をすらすら吹くためには、「音」が読み取れることと、「リズム」が読み取れることが必要です。
今回は、「リズム」に焦点を当てて、苦手克服を目指しましょう。
拍子の読み方を知ろう
まず、楽譜を読む時に大切なのは「拍子」です。
拍子を見ていないのに、リズムを掴むことはできません。
では、拍子の読み方・意味は、きちんとわかっていますか?
ここに、3種類の拍子があります。
各拍子の名前は書いてありますが、分母(赤丸)と分子(青丸)が、何を表しているのか、正しく理解しているでしょうか。
分母(赤丸)は、音符の種類です。
左から、四分音符・八分音符・二分音符を表しています。
また、分子(青丸)は、1小節の中に、その分母の音符が何個入るかを表しています。
すなわち、
- 4分の4拍子であれば「四分音符が1小節に4つ入る」
- 8分の6拍子であれば「八分音符が1小節に6つ入る」
- 2分の2拍子であれば「二分音符が1小節に2つ入る」
ということです。
ではなぜ、このようにいろいろな拍子があるのでしょうか。
拍子の違いによる基準の違い
上記の3つの拍子の大きな違いは、基準となる音符の種類が異なる点にあります。
基準の音符、1小節に入る音符の数の違いで、曲の表情が変わりますので、作曲者の求める音楽により、様々な拍子というのが存在するのです。
さて、4分の4拍子では、四分音符が1小節に4つ入る、とお伝えしました。
この場合は、四分音符を1と数えます。
8分の6拍子だと、八分音符が基準になりますので、八分音符が1になり、四分音符は2になります。
2分の2拍子であれば、二分音符が1になるので、四分音符は0.5です。
これが正しくわかっていなければ、何を基準にカウントされているのかわからないため、楽譜を見てもリズムをはめることは不可能、ということになってしまうのです。
新しい曲を始める時には、まず拍子を見て、数え方をしっかり把握しましょう。
リズムのはめ方のコツ
「リズムがわからない!」という時は、ついつい逃避したくなりますが、そうもいきません。
まずは落ち着いて、先程の「拍子で決まった基準の音符」にはまる音を見つけましょう。
例えばこの譜例は、拍子記号が写っていませんが、2分の2拍子ですので、各小節2拍ずつで進んでいきます。
その2拍にはまる音(カウントに合う音)を見つけましょう。
この曲の場合、Cの1小節目の2拍目のあたまはタイですので、改めて音が鳴ることはありません。
また、シンコペーションで少し複雑なため、「なんだかよくわからない…」という場合は、裏拍にあたる、四分音符にはまる音を探してみて下さい。
今の説明を楽譜に書き込んでみると、
このようになります。
まずはカウント(数字)にはまる音を見つけ、それでもよくわからなければ、裏拍(ト)にはまる音を見つける、これがリズムを掴むための第一歩です。
この理解なくして、正しいリズムでの演奏はあり得ません。
もっと細かい音符(三十二分音符や六十四分音符など)が出てきてしまった場合は、さらに細分化して、八分音符や十六分音符を基準に考えるといいでしょう。
拍子を理解し、リズムを理解する
拍子をきちんと把握しないことには、リズムを紐解くことができないことが、おわかりいただけましたか?
「拍子の理解はなんとなく」「リズムは雰囲気で」では、ピシッとした演奏は絶対にできません。
そんなに難しい作業ではありませんので、まず拍子を見る、そこで定められたカウントにリズムをはめる、ということを、当たり前にできるようにしていきましょう。