音符と休符の捉え方を変えて吹けるリズムを増やそう
気づけば6月。
4月・5月と、好きに外出できない生活が続いていたせいか、ワープしたような、なんだか不思議な感覚がありますね。
6月に入り、オンラインレッスンと併せて、スタジオレッスンも再開しました。
直接生徒さんの顔を拝見できるのは、やはりほっとします。
ただ、まだまだ不安な方もいらっしゃると思いますし、「今日は、なんだか外には行きたくない気分…」なんて時には、急な変更でも対応できますので、オンラインレッスンを活用していただけたらと思います。
さて、個人練習や合奏で、「リズムをパッと掴むのが苦手だなー」と思ったことはありませんか?
理由はいろいろあるのですが、最近レッスンをしていて強く感じるのが「音符と休符がイコールになっていない方が多い」ということ。
それはどういうことでしょうか。
「音符は音符」「休符は休符」はやめよう
まずは、こちらの譜例でご説明しましょう。
ここに、3つのリズムパターンがありますが、「全て同じリズムです」と言われて、「あ、そうだよね」と思えますか?
「全て同じ」というのは、かなり極端な言い方ではありますが、お伝えしたいのは、音がどこで鳴るかが違うだけで、この3つの楽譜を構成しているのは、「八分(音符・休符)のみ」ということです。
リズムを瞬間的に捉えるのが苦手な方は、「音符は音符」「休符は休符」と、別もので考えていることが多く、先程の譜例が全く違うリズムに見えてしまうのです。
「八分」と言われたら、音符でも休符でも同じだと思えないと、リズムを掴むのに苦労することになってしまいます。
リズムの書き方の違いに惑わされない
では次に、こちらの譜例を見てみましょう。
この楽譜は、各段に3小節ずつありますが、同じ段に書いてあるのは、同じリズムです。
ちゃんと同じに見えますか?
先程と同様に、休符になっている箇所があるので、音の長さが異なったり、拍のあたまが鳴らなかったりしますが、動くタイミングは全て同じです。
これを「同じリズム」と捉えられるかどうかが、譜読みで大きな差を生みます。
例えばこの譜例では、「3種類のリズムが、3パターン記載」されていますので、同じリズムだと思えない人にとっては、9種類ものリズムが書かれているように見えてしまいます。
一方、音符と休符を同じものと捉えて、音符の長さに惑わされない人にとっては、たったの3種類のリズムでしかないわけです。
この差がどんどん積み重なっていけば、3倍どころか、5倍・10倍…と、譜読みに費やす時間が比べものにならないくらいになってしまうのです。
リズムを瞬時に掴めるようになる第一歩
今回お話したことができるようになるには、音符と休符を同じもの(同じ長さ)だと捉えられるようになることが必要です。
音符と休符では、見た目が全く違うので、ついつい分けて考えてしまったり、休符に「休」という字が入っているせいで「お休み」と考えてしまったり、音符と休符がイコールになりにくい理由はいろいろあります。
今までにも、繰り返しお伝えしてきましたが、休符は「音の鳴らない音符」です。
決して休んでいいわけではありませんし、長さが変わるわけでもありません。
四分音符も四分休符も同じ「四分」、十六分音符も十六分休符も同じ「十六分」。
そう思えるようになれば、引っかかってしまうリズムは激減するはずです。
書くことでしっかり身につける
もちろん、ベースとなるリズムパターンもきちんとわかっていないといけませんが、今回お話した「音符と休符を同じものと捉える」ことができるようになると、パッと掴めるリズムが増え、譜読みにかかる時間がかなり減ります。
まずは、音符と休符をまとめた表を自分で書いて(「自分で書く」というのがポイントですよ!)、同じ名前のついた音符と休符が、同じ長さであるということを、しっかりインプットしましょう。
その後は、「リズムの書き方の違いに惑わされない」の項にある譜例のように、同じリズムだけど音符と休符の構成が違うものを、考えて書き出したり、今やっている曲・過去にやった曲の中から、見つけ出したりしてみるといいですね。
「あれ?ここ、苦労してたけど、こっちと同じリズムじゃん!」なんて発見が、あちこちにあるはずです。
「リズムは応用」です。
見慣れない書き方のリズムが出てくるたびに『初めまして』にならないよう、音符や休符の書き方の違いに惑わされない力をつけていきましょう。