「その曲らしさ」を出すためにやるべきこと
東京クラリネット教室
2020年2月22日、今年2回目の中級者アンサンブルが開催されました。
久しぶりのご参加の方と、体験の方がいらっしゃる予定だったので、「今回は人数が多い!」とホクホクしていたのですが、いざ当日になってみたら、お仕事や体調不良の方などがいらっしゃって、講師含めて4名でのアンサンブルとなりました。
今は特に、いろいろ流行っているので怖いですね。
不調な方は、どうぞご無理のないように過ごしていただければと思います。
そんなわけで、今回は先月演奏した、ドビュッシー作曲「アラベスク第1番」をやろうと思っていたのですが、こちらの編成は六重奏なので断念。
ピエルネ作曲・15の小品より「タランテラ(ナポリの思い出)」が、前回あまりに謎すぎたので、今日は「このタランテラを楽しく演奏できるようにしよう!」と目標を決めて、演奏することにしました。
こちらは、今回参加の人数ぴったりの、四重奏です。
早速始めていきましょう。
「タランテラ」が何かを知ろう
まず、曲の理解を深めるために「タランテラ」が一体なんなのかを知りましょう。
今はすぐに手元で調べられるので、楽ですね。
さて、タランテラは、イタリアの舞曲の一種です。
ピアノを習っていた方であれば、ブルグミュラーのタランテラを演奏したことがあるのではないでしょうか。
8分の6拍子(もしくは8分の3拍子)の速い舞曲で、八分音符・八分休符・八分音符のリズムが特徴的です。
記譜にすると、1番パートの57小節目からのフレーズのようなリズムですね。
これが軽やかに吹けるかどうか、また、八分音符が3つ(もしくは6つ)並んでる音型を、重くなりすぎずに拍をたっぷり使って吹けるかどうかが、タランテラの「タランテラらしさ」を左右します。
もし可能であれば、サンプルとして実際のタランテラを聴いてみると、演奏に活きるはずです。
この曲の音源でなくても構わないので、何かしらタランテラを聴いて、しっかりイメージを掴んでおきましょう。
休符の扱いに気をつける
過去にもお伝えしてきましたが、「休符を演奏する」というのは、とても難しいことです。
音符であれば、吹けばいいわけですが、休符は、音がない時間を作って表現をせねばなりません。
先程のスコアを見ていただいてもわかると思いますが、タランテラは軽快な舞曲ですので、休符が効果的に使われています。
頭打ちなどでは、軽やかに短く吹きやすいですが、四分音符のあとの八分休符などは、ついつい曖昧になりがちです。
「なんとなーく伸ばして吹いてしまった」ということがないよう、ピシッと空間を作ることを常に意識しましょう。
すっきりした演奏に変化するはずです。
単純な曲に聴き映えをプラスする
聴いていておもしろい演奏というのは、
- その曲に合ったテンポ
- 強弱
というのが必須です。
もちろん他にもいろいろと気をつけるべきことはあり、それらによってどんどんと良い演奏になっていきますが、この2点は不可欠でしょう。
今日は最後に録音をしてみましたが、参加者の皆様に聴いていただいたところ、やはりその2点がまず気になったとのこと。
自分達で思っているものと、客観的に聴いた時の差というのは、考えている以上に大きかったりします。
特に強弱は、手元に楽譜がない人が聴いても、変化がしっかり伝わるよう、大げさに表現できるようにしていきましょう。
今日の目標の「タランテラを楽しく演奏できるようにしよう」は、「完璧!」とまではいきませんでしたが、様子も見えてきて、だいぶウキウキと吹けたのではないかと思います。
次回この曲を演奏する時は、もう少し人数が増えているかと思いますが、今日やったことはしっかり振り返りをしていただいて、今回いらっしゃらなかった方を引っ張れる演奏を身につけておいて下さいね。
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