ソロにも合奏にも強くなろう
アンサンブル直前のレッスンに、不安そうにいらっしゃった生徒さん。
すっかり弱気モードになっていました。
1人で吹いていただくと、音符の長さや速さがまちまちだったので、私も同じパートを一緒に吹くことにして、「もしずれちゃったら、頑張って私に合わせて下さいね」と伝えてから始めたのですが、やってみてびっくり。
八分音符のアウフタクトの長さが2箇所違っていた(四分音符になっていた)以外は、完璧でした。
一緒に吹いている人がいると、自信を持って吹ける。
これは、極めてアンサンブル向きだと言えます。
では、「ソロが得意」「アンサンブルや合奏に向いている」というのは、どこで差が出るのでしょうか。
個人レッスンでクラリネットを始めた人の特徴とは
最近特に感じるのですが、やはりクラリネットを手にした時の環境というのは、その人の演奏スタイルや心持ちを大きく変えます。
東京クラリネット教室に通っている生徒さんの多くは、習いに来て初めて楽器を手にされた方達です。
マンツーマンレッスンですので、楽器を始めた時から、基本的に1人で演奏しています。
もちろん講師の前で。
ですので、「人前で1人で吹く」というのは、ある意味日常。
発表会ともなれば、緊張もされますが、レッスンで積み重ねてきたことの集大成ということで、そこまで身構えずに挑むことができます。
逆に、アンサンブルや合奏で「人と合わせる」となると、「迷惑をかけたらどうしよう…」「合わせるなんて大変!」と、ソロの時とは別人のようになってしまいがちです。
では、部活で楽器を始めた人は?
一方、学校の部活でクラリネットを始めた人は、多くの人と一緒に楽器を吹くのが当たり前の環境にいます。
パート練習、セクション練習、合奏…
部活中であれば、個人練習の時間ですら、周りでいろんな楽器が鳴っている中、吹いていますよね。
こちらの人にとっては、合わせるのが日常。
「そこ、1人で吹いてみて」なんて言われたら、「えーっ!」となることが多いはずです。
当然と言えば当然なのですが、ソロで楽器を始めた人と部活で始めた人は、真逆の感覚を知らず知らずのうちに身につけているのです。
両方の『いいとこ取り』をしよう
これは、どちらがいいとか悪いとかの話ではありません。
「慣れ」により身についたものなので、慣れていない方を習得すれば、ソロ演奏も合奏も、どちらも得意な人になれます。
クラリネットをより楽しむためにも、苦手にあえて挑み、どのような環境でも、自分の一番良い演奏ができるようにしていきましょう。