音符の見た目に惑わされないようにしよう
東京クラリネット教室
2020年8月22日、今年4回目の中級者アンサンブルが開催されました。
前回、体験で参加して下さった方も、継続していただけることになりましたが、あいにく今回はお休み。
もうお一方もご都合でいらっしゃれなくなってしまい、今日はE♭クラリネット1名、B♭クラリネット3名と講師のバスクラリネットの計5名でのアンサンブルとなりました。
先月同様、今回も福田洋介作曲『さくらのうた~FIVE』を演奏します。
前回やったことを思い出そう
前回お休みだった生徒さんが、今日は初見で参加(しかも代吹き=いないパートを代わりに吹く)でしたので、先月半分ほどまで進んでいましたが、もう一度最初から見ていくことにしました。
まずは、各自が自分の状態を確認するためにも、一度全部通し。
覚えているところ、すっかり忘れてしまっているところ、いずれもあったと思いますので、今日はしっかり思い出していきましょう。
見た目に惑わされず音符の長さを正しく掴む
8分の6拍子である『さくらのうた~FIVE』。
一度通してみて気づいたのですが、どうも皆さん後ろに引っ張られ気味です。
人それぞれ、徐々に遅くなっていくタイプと、だんだん前に行ってしまうタイプに分かれるので、そのせいもあるかもしれませんが、今回に関しては、実はもっと大きな原因があります。
それは、音符の感じ方です。
ここに、4分の2拍子と8分の6拍子の譜例があります。
同じ音符の種類で構成されているので、ぱっと見た感じ、同じリズムに見えますね。
この「同じリズムに見える」が、今回の演奏が、後ろに引っ張られてしまった原因です。
同じように見えても、拍子が違うわけですので、実際に演奏されるリズムは、全く(は言い過ぎですが)違います。
どう違うかをとても簡単に言うと、4分の2拍子の付点の方が、十六分音符が後ろに来ます。
もちろん人によって差はありますが、「8分の〇拍子」よりも「4分の〇拍子」に慣れている方の方が多いかと思いますので、そうすると8分の6拍子だとしても、ついつい慣れた「4分の〇拍子」のような付点の吹き方になってしまいがち。
先程お話したように、4分の〇拍子の付点八分音符は、8分の6拍子の付点八分音符より長いので、その「ついつい」が積み重なっていくと、だんだんと曲が後ろ向きになっていき、「なんかテンポが遅くなってない?」ということになってしまうのです。
常々「リズムは慣れ」とお伝えしてきましたが、このような場合は少し話が違います。
見た目から受ける印象で、「こんな感じのリズムだったよね」といつものリズムの引き出しを開けてしまうと、拍子の違いによるリズムの違い・はめ方の違いに、対応できなくなってしまいます。
見た目がそっくりでも、拍子によって演奏するリズムは変わるということをしっかり認識し、きちんと吹き分けができるようにしておきましょう。
リズム自体には、ほんの少しの違いしかないですが、積み重なると大きな差になってしまいます。
拍子に合ったリズムパターンを身につけておく
今回挙げたリズムの例は1つでしたが、他にも見た目で惑わされてしまいやすいリズムはあります。
手を叩きながら歌ったり、メトロノームを細かい音符でかけて、はまり方を確認しながら練習したり、拍子ごとの正しいリズムを、状況に合わせて切り替えられるようにしていきましょう。
最後の通しはだいぶ良くなってきていましたので、忘れないようにしておいて下さいね。
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