8分の6拍子に慣れて上手に演奏できるようになろう
東京クラリネット教室2020年7月25日、今年3回目の中級者アンサンブルが開催されました。
バンドアンサンブル同様、こちらも5ヶ月ぶり。
現在は、アンサンブル体験は個人レッスン受講の生徒さんのみを対象に行っておりますが、今日は体験参加の方が1名と以前からの参加者4名、講師のバスクラリネットを合わせて、6名でのアンサンブルです。
久しぶりの中級者アンサンブル、以前やっていた3曲を演奏しようと思っていましたが、ご参加の生徒さんにリクエストをいただいたので、今回からは福田洋介作曲『さくらのうた~FIVE』を演奏します。
久しぶりのアンサンブルは初見から
新曲を始めるので、まずはパート分けから。
今回の曲は、E♭クラリネットが入っているので、E♭クラをお持ちの方にそのパートはお願いして、B♭管の方々はどのパートを担当するか、真剣に吟味中。
個々の性格を反映して(?)すんなりパートが決まったところで、初見で通してみましょう。
『さくらのうた~FIVE』は、元々吹奏楽コンクールの課題曲。
吹奏楽版を吹いたことがある方はいらっしゃいましたが、クラリネット五重奏で吹くのは皆さん初めて。
8分の6拍子なだけでも、ちょっとハードルが高いのに、何回もある転調と、いきなり出てくる細かい音に、振り回されまくりの初見になりましたが、無事に通すことができました。
皆さん、ちょっとずつ初見力が上がってきてますね!
10分ほど個人練習をしたら、いよいよ細かく見ていきましょう。
拍子によって拍の感覚を切り替えよう
先程も書きましたが、今回演奏の曲はゆったりした8分の6拍子。
8分の6拍子は、大きな2拍子でしたね。
「8分の6拍子=大きな2拍子」というのは、付点四分音符1拍の中に、3つ八分音符が入っている、という数え方・考え方をしているからです。
ここで、馴染みのある、「4分の〇拍子」と、音符に対する感覚を変える必要があります。
例えば八分休符。
「4分の〇拍子」であれば、0.5拍ですね。
「8分の〇拍子」だと、1拍です。
ですので「8分の〇拍子の方が、八分休符が担当する長さは長い」というのは、理論上は合っています。
しかし、先述の通り「8分の6拍子は、大きな2拍子」で「付点四分音符1拍の中に3つ八分音符が入っている」ので、演奏する上では「3分の1拍」になるのです。
一方、「4分の〇拍子」であれば、八分休符は「2分の1拍」になります。
さぁ、どちらが長いでしょうか?
答えは簡単ですね。「2分の1拍」です。
ということは、「8分の6拍子」を大きな2拍子で数えているのに、小節のあたま・拍のあたまにある八分休符を「4分の〇拍子」と同じように休んでしまうと、遅れることになってしまうのです。
頭ではわかっていても、染みついた感覚というのはなかなか払拭できないもので、「4分の〇拍子」における八分休符のタイミングが、どうしても自然に出てしまいがち。
そうすると、次の音符の入りが遅れてしまって、「え、拍にはまってない気がするけど、なんで??」と、原因不明の違和感を抱えることになってしまいます。
楽譜を見て、反射的に「八分休符は2分の1拍」と思ってしまう感覚を、「8分の〇拍子では3分の1拍」にきちんと切り替えて、正確なリズムで演奏できるようにしていきましょう。
日常でできる「8分の6拍子」克服法
「1拍を3つに割る」練習は、楽器がなくてもできます。
むしろ、楽器がない時に、しっかり身につけてしまいましょう。
手を叩きながら、まずは「1・2・3」「1・2・3」と声に出してみて、1拍を均等に3つに割れるようにしていきます。(これができると、三連符も吹けるようになりますよ!)
慣れてきたら「ン・2・3」に変えてみたり、「1・ン・3」と歌ってみたり、休符も入れて、いろいろなパターンの刻み方に慣れていきましょう。
手拍子のテンポも変えて練習すれば、様々な速さに対応できるようになります。
付点八分音符や十六分音符を確実にはめるためにも、まずは基本のカウントをきっちり身につけて下さいね。
予習復習をして、さらに楽しく演奏しよう
各パートが全く別の動きをしていることがとても多く、最初は皆さん苦労されていましたが、「どう掛け合いをしているのか」などがわかってきてからは、徐々に周りに気を配り、アンサンブルを楽しめるようになってきましたね。
今日は、半分まで進みましたので、予習復習と、お伝えした「8分の6拍子に慣れる練習」をしっかりしておいて下さい。
次回も楽しみにしています。
初見で楽譜がスラスラ読めるようになる方法 初見で楽譜がスラスラ読めるようになる方法 初見で楽譜がスラスラ読めるようになる方法
「楽譜が読めない…」 私が教えに行く学校の子供達や、新しく習いに来る個人レッスンの生徒さんが抱える大きな悩みの一つがこの読譜です。 当たり前の話ですが、私を含め、今楽譜が読めるプロのミュージシャンだって「生まれつき楽譜が読めた」なんてことは当然ありません。 楽譜なんてただの記号でしかないのに、どうして読めるようにならないのでしょう? … 「楽譜が読めない…」 私が教えに行く学校の子供達や、新しく習いに来る個人レ…
クラリネットリードの選び方とメンテナンス方法 クラリネットリードの選び方とメンテナンス… クラリネットリードの選び方とメンテナンス方法
リードとは クラリネットを吹く上で、リードはなくてはならないものです。 喉に手を当てて「あ~~」と声を出した時に、ビリビリと震える感覚があると思います。 声帯という筋肉が振動している間を空気が通って声となって出てくるのですが、クラリネットではリードが声帯に当たります。 要は、リードはクラリネットの声(音色)を決める重要なもの。 しかし、初心者の… リードとは クラリネットを吹く上で、リードはなくてはならないものです。 喉に手を当て…
クラリネットリードの育て方 クラリネットリードの育て方 クラリネットリードの育て方
クラリネットのいいリードの育て方を知りたい、という質問をよくいただきます。 リードの選び方とメンテナンス方法でも一部紹介しましたが、今回はリードの育て方にフォーカスして、より詳しく解説していきます。 クラリネット未経験者・初心者の方は是非試してみてくださいね。 まずは全リードを開封 まず箱を開けたら、個包装されているものであれば、全てのリード… クラリネットのいいリードの育て方を知りたい、という質問をよくいただきます。 リードの選…
楽譜の書き方の違いに惑わされないようにしよう 楽譜の書き方の違いに惑わされないようにし… 楽譜の書き方の違いに惑わされないようにしよう
クラリネットアンサンブルのために、熱心に練習して下さっている生徒さんのレッスンでした。 今日は、何年か前にソロでも吹いた『トロイメライ』中心にやりました。 前に吹いているからいいか、というと、逆に難易度が上がる場合があります。 なぜなら、同じ楽譜を使っているわけではないため、微妙にリズムや音に違いがあることがあるからです。 今日も「どうしてもここ… クラリネットアンサンブルのために、熱心に練習して下さっている生徒さんのレッスンでした。 …
吹き方で変わる八分音符の曲の雰囲気 吹き方で変わる八分音符の曲の雰囲気 吹き方で変わる八分音符の曲の雰囲気
一般の吹奏楽団で頑張っている生徒さんのレッスンでした。 細かい音符の伴奏を上手に吹くために 前回のレッスンでは、十六分音符で演奏する伴奏がうまくできない、とおっしゃっていたので、その練習方法や意識の持ち方のお話をしましたが、少し練習に行けなかったら、パートが変わっていたそう… そういう吹き方じゃない!? 今度のパートは、十六分音符の… 一般の吹奏楽団で頑張っている生徒さんのレッスンでした。 細かい音符の伴奏を上手に吹くた…
馴染みの薄い「3拍子」を自分のものにする 馴染みの薄い「3拍子」を自分のものにする 馴染みの薄い「3拍子」を自分のものにする
桜の開花宣言後の吉祥寺。 井の頭公園に気の早い人達が殺到するのでは…と身構えていましたが、さすがにまだ、駅の周りも取り立てて人出がすごいというわけではありませんでした。 でも、来週の土日が恐ろしいです。 さて、今日は初心者の方のレッスン。 何回か前から教本を導入したので、今日も、初めて見た楽譜を吹いてみる、初見の練習をしました。 … 桜の開花宣言後の吉祥寺。 井の頭公園に気の早い人達が殺到するのでは…と身…
いろいろな八分音符が吹けるようになろう いろいろな八分音符が吹けるようになろう いろいろな八分音符が吹けるようになろう
スケールをこつこつ頑張っている生徒さん。 十六分音符で書いてあるスケールですが、八分音符でメトロノームをかけながらの練習なので、実質八分音符で練習中。 そんなわけで、今日は八分音符の吹き分けについて、レッスンしました。 同じテンポなのに遅く聴こえる吹き方がある? スケールの練習をしていると、ついついパラパラと指を動かしてしまいがちです。 その練… スケールをこつこつ頑張っている生徒さん。 十六分音符で書いてあるスケールですが、八分音…
音符の見た目に惑わされないようにしよう 音符の見た目に惑わされないようにしよう 音符の見た目に惑わされないようにしよう
2020年8月22日、今年4回目の中級者アンサンブルが開催されました。 前回、体験で参加して下さった方も、継続していただけることになりましたが、あいにく今回はお休み。もうお一方もご都合でいらっしゃれなくなってしまい、今日はE♭クラリネット1名、B♭クラリネット3名と講師のバスクラリネットの計5名でのアンサンブルとなりました。 先月同様、今回も福田洋介… 2020年8月22日、今年4回目の中級者アンサンブルが開催されました。 前回、体験で参…
クラリネットのチューニング方法 クラリネットのチューニング方法 クラリネットのチューニング方法
ピアノ伴奏とのソロ演奏やアンサンブル、吹奏楽やオーケストラなど、クラリネットの活躍の場はたくさんあります。 それらに共通しているのは「誰かと合わせること」。 合わせる際に大切なことの一つ『チューニング』について、よくわからなかったり、なんとなくになっている部分はありませんか? 今回はその『チューニング』についてご説明していきますので、しっかり知って… ピアノ伴奏とのソロ演奏やアンサンブル、吹奏楽やオーケストラなど、クラリネットの活躍の場は…
本番は「良い緊張」をしよう 本番は「良い緊張」をしよう 本番は「良い緊張」をしよう
2021年1月4日、今年1回目の初級者アンサンブルが行われました。 いつもは月末開催のアンサンブルですが、年明け早々にやることになったのは、来週発表会を控えているから。世間の情勢的には、普通に発表会ができるものかやや不安ではありますが、来週のこの時間に清々しい気分でいるために、あと少し頑張りましょう。 今日も、B♭クラリネット4名での演奏です。 演… 2021年1月4日、今年1回目の初級者アンサンブルが行われました。 いつもは月末開催の…
曲の中で正しく和音を響かせるためには 曲の中で正しく和音を響かせるためには 曲の中で正しく和音を響かせるためには
2021年1月9日、今年1回目の中級者アンサンブルが開催されました。 今日の参加者は、発表会参加予定のB♭クラリネット6名(内1名はE♭クラリネット兼任)と講師のバスクラリネットの計7名です。 いよいよ発表会目前。良いイメージのまま本番に臨めるように、今日も丁寧に練習していきましょう。 演奏曲目 さくらのうた~FIVE 魔女の宅急便メドレー… 2021年1月9日、今年1回目の中級者アンサンブルが開催されました。 今日の参加者は、…
アンサンブルでの不安感をなくすために大切なこと アンサンブルでの不安感をなくすために大切… アンサンブルでの不安感をなくすために大切なこと
本日は午前中の中級者アンサンブルに引き続き、午後には上級者アンサンブルも行われました。いよいよ発表会前最後の合わせです。 今月も、B♭クラリネット4名・バスクラリネット1名で、発表会での演奏曲、A.リード作曲『アルメニアンダンス・パート1』をしっかり仕上げていきましょう。 最後の仕上げ前に現状の確認 東京クラリネット教室のアンサンブルクラスは、準備… 本日は午前中の中級者アンサンブルに引き続き、午後には上級者アンサンブルも行われました。い…