楽譜の書き方の違いに惑わされないようにしよう
クラリネットアンサンブルのために、熱心に練習して下さっている生徒さんのレッスンでした。
今日は、何年か前にソロでも吹いた『トロイメライ』中心にやりました。
前に吹いているからいいか、というと、逆に難易度が上がる場合があります。
なぜなら、同じ楽譜を使っているわけではないため、微妙にリズムや音に違いがあることがあるからです。
今日も「どうしてもここのリズムがわからないんですが…」とおっしゃっている箇所がありました。
同じリズムなのに違う書き方!?
その場所を教えていただいてから、一度メトロノームに合わせて、通しで吹いていただきましたが、確かに
このタイがついたリズムが、よくわからないご様子。
ところが、曲の最後にある
この部分は普通に吹いていらっしゃいます。
この2つは、書き方が違うだけで、同じリズムですね。
ところが、ソロで吹いた時には、このタイがついたパターンでは書かれていなかったため、「なんだこのリズムは!」となってしまっている、というわけです。
書き方に惑わされない
という日誌を以前書きましたが、このような記譜も応用の1つです。
今回の楽譜は、付点四分音符で書いてくれればいいものを、わざわざ『四分音符+八分音符』で書いているため、混乱してしまいました。
他にもこのようなことは多々あります。
『八分音符・四分音符・八分音符』のシンコペーションが『八分音符4つで、真ん中2つがタイ』で書かれていたり、『付点二分音符』を今回のように『二分音符+四分音符』に分けて書いたり。
あとは、少しパターンが違いますが、八分音符がずらーっと並んでいるのを、2つずつに分けて書いている部分と、小節内全部つなげて書いている部分が混在している楽譜、なんていうのも、見かけることがありますね。
まるで引っかけ問題のようですが、そこでうっかり引っかかってはいけません。
正しい音価を理解する
引っかからないようにするには、各音の長さ(「音価」と言います)を、きちんとわかっておく必要があります。
そしてそれを、記譜(楽譜の書き方)の違いがあっても、掴めるようにしておきましょう。
せっかく『付点四分音符=四分音符+八分音符』はわかっているのに、「付点四分音符を、四分音符+八分音符で書かれると、とっさにわからないんだよね…」では、とてももったいないですよね。
どのような書き方をされても、リズムがすぐに掴めるように、音価を理解し、それを再現する力を養っていきましょう。