長い音符や休みのあとの細かい動きを正確に掴む方法
最近の東京クラリネット教室は、オンラインレッスンのみの開講ですが、皆さん頑張って練習されているようで、レッスンでお目にかかるのが毎回楽しみです。
「家なので、リラックスして吹けます」という方も、「パソコンの前だと緊張する!」という方もいらして、それぞれ反応が違って、興味深いですね。
今は、誰かと合わせて演奏することができませんが、コンピューターで伴奏を流してソロ演奏を楽しんだり、またアンサンブルができる日に向けて、自分のパートを頑張って練習されている生徒さんがいらっしゃいます。
そんな「合わせて演奏する時」に、「長い音符や休符のあとに、細かい音符がきちんとはめられない」という経験をしたことはないでしょうか。
これは、ちょっとしたことを、その長い音符や休符の間にやるだけで、あっさり解決できます。
何をやればいいのでしょうか。
音符も休符も確実にカウントする
まず、当然と言えば当然のことなのですが、音を長く伸ばすにしろ、長い休符にしろ、カウントを止めないことを徹底しましょう。
知っている曲であったり、慣れてきた曲の場合、ついつい雰囲気で吹いてしまいがち。
長く伸ばしている音符・休符も、なんとなくになってしまうと、拍感を見失います。
この「拍感を見失う」ことが、今回お話する「長い音符や休符のあとに、細かい音符がきちんとはめられない」ことに繋がるのです。
ベースの拍を数えられなければ、細かく吹くことができないのは、当たり前ですね。
細かい音符を正確に掴むには
さて、長い音符・休符をしっかり数えられるようになったら、その後に出てきた細かい音符を正確に吹けるようにしていきましょう。
例えばこちらの楽譜、上から1st・2nd・3rdになっていますが、2ndパートの付点二分音符のあとに、八分音符の動きがありますね。
リズムとしては、取り立てて複雑なものではないですが、八分音符を正しくはめるのは、意外な難しさがあります。
この部分の付点二分音符は2~4拍目なので、伸ばしながら「2・3・4」と数えますが、その時に併せて八分音符も考えるようにすると、その難しさはなくなります。
「2・3・4」だけではなく、「2ト・3ト・4ト」と裏拍を感じておくことで、次の動きのイメージを掴め、いざ吹いた時に正しくはめることができるのです。
先述の通り、本当にちょっとしたことなのですが、これでかなり正確性は上がります。
他にも生かせる場面
このように「あらかじめ、今から吹く拍・テンポを想像しておく」ことは、他の場面でも生かせます。
- 曲の始まり
- 曲中のテンポの変化
細かい音符がある曲では、一番細かいリズムが、そのテンポにどうはまるのかというのを、必ず考えてから吹き始めましょう。
また、曲中でテンポが変わる場合(特に上がる場合)は、曲が始まる前にイメージしておくことと併せて、「今からテンポが変わる」という時に、頭の中で新しいカウントを鳴らすくせをつけられるといいですね。
なるべく、裏拍まで一緒に鳴らせるようになると、さらに安定感が増します。
細かくカウントできるくせをつけておこう
長い音符・休符からの細かい音への移行や、テンポの移り変わりがスムーズにできる人は、無意識に拍子のカウントにプラスして、裏拍やさらに細かい音符を想像することができます。
まずは簡単なところから、伸ばしながら裏拍をカウントする練習をしていきましょう。
ロングトーンの時に「1ト・2ト・3ト・4ト…」と数える練習が、一番お手軽です。
また、部活でよくやるタンギングの練習で、全音符→二分音符→四分音符→八分音符→三連符→十六分音符、というパターンがありますが、これも四分音符の時にしっかりと八分音符を感じておくことが、その後のリズムの安定に繋がります。
タンギングだけに気を取られず、カウントの練習としても活用できると、いろいろなことが手に入りますね。
裏拍を感じられている演奏は、締まりも出ます。
「何分の何拍子」のカウントだけではなく、裏拍もきちんと掴んで、テンポやリズムの変化への対応、びしっと締まりのある演奏を目指していきましょう。